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奈須きのこ『空の境界(下)』

2007-07-16 15:13:32 | ノンジャンル
 昨日の続きです。
 橙子がマンションに着くと、アルバが壁から無数の異形のものたちを出現させますが、橙子はカバンから強大な2次元猫を出現させ、異形のものたちと共にアルバも食べさせようとします。そこへ荒耶が出現し、橙子との長い討論の後、一進一退の死闘を繰り広げ、最終的に橙子が死にます。荒耶は橙子の首をアルバに渡します。巴と幹也は式を助けるために、幹也が囮になり、その間に地下から巴が侵入し、式がいると思われる西側の10階の部屋に行くことにします。マンションのエレベーターのボタンを幹也が押すと、橙子の生首を持ったアルバが立ちはだかります。アルバは橙子の目をえぐり出し、頭を両手でつぶしてしまいます。幹也は逃げ出しますが、瀕死の重傷を負います。去り行くアルバの正面に橙子が現れます。橙子は自分に正確な人形を何体も作っていたのでした。アルバは殺されます。巴は地下で殺された人々の脳が保存されているのを発見しますが、自分の左手のひじから先がいきなり落ち、ひじに歯車が内蔵されているのを見て、発狂しかけますが、何とか10階に辿り着き、荒耶の弱点である胸にナイフを突き刺しますが、荒耶の体は消え去ります。荒耶の体と一体化していたマンションが崩れ始め、そこへ刀を持った式が壁を破って現れ、魔術師の肩から右胸へと切断します。魔術師はマンションごと式を押しつぶそうをしますが、式は10階から飛び下り、中庭に移動した魔術師の左手を切り落とします。魔術師が刀を蹴飛ばすと、刀は式に致命傷を与え、失神します。現れた橙子の前で魔術師の肉体は永遠に消え去って行きます。式の傷は回復し、幹也はマンションが取り壊されたことを伝えます。
 鮮花は兄の幹也が大好きで、自分が大人になるなで身を遠ざけている間に、式に取られてしまいます。橙子の事務所を訪ねると、鮮花の通う女子校で、魔術師が操る妖精が忘れていた記憶を掘り起こし、4組のクラス全員に手紙で送りつけ、それが原因でお互いを犯人だと思った2人がカッターで切り付けあう、という事件が起こったことを聞きます。魔術師・橙子の弟子である鮮花は、真相の究明を命じられ、式と共に学校へ戻されます。式は旧小学校校舎へ行き、そこで妖精を握りつぶします。戻ると、鮮花は1時間の記憶がなく、その間に妖精に記憶を盗まれてしまっていました。翌日、4組の委員長・黄路美紗夜に話を聞くと、事件の2人は病院に搬送された後のことは分からないと言う。鮮花は事件の前に起こった放火事件の現場から戻ると美紗夜に道を塞がれ、自分は妖精使いで、火事で死んだ橘佳織のためにクラスメイトに復讐しているのだ、と言います。鮮花は失神します。橘佳織は4組の旧担任の葉山に妊娠させられ、自殺したらしいことが分かります。部屋の様子を伺っていた者を式が追うと、それは4組の現担任の魔術師・玄霧でした。記憶についての長い議論の後、二人は戦いますが、玄霧は姿を消してしまいます。美紗夜と鮮花も対決し、美紗夜の背後の妖精をやっつけ、美紗夜は玄霧に助けを求めたことを後悔します。玄霧は美紗夜に刺されて死に、式は幹也と産まれて初めて一人きりではない散歩をします。
 あっさりと人を殺した里緒は、荒耶に励まされ、死体を食べてしまい、常規を逸した存在にしてもらいます。
 4年前の通り魔事件と違い、今回は毎日1人が殺され、残された死体は手足だけというものです。大輔兄さんから幹也はドラッグについて調べてほしい、と言われます。幹也は女の売人に最新のドラッグを尋ね、その売人の名前を聞きます。式は殺人鬼が人肉食している現場を発見し、殺人鬼の片腕を切り落とすと、殺人鬼は逃げ去ります。幹也は教えられた売人・里緒のアパートに行き、式の写真や絵が散乱しているのを見つけます。里緒が潜む倉庫で式は里緒を組み伏せますが、どうしても殺せません。幹也もそこへ行きますが、いきなり後頭部を殴られ、失神し、筋を切られ動けなくなります。里緒は特別な存在にしてやると、クスリを与えようとしますが、幹也は拒否し、瀕死の重傷を負います。。式が現れ、無抵抗の式を里緒は斬りまくりますが、最後の一撃の時、式は一瞬にして里緒を殺しますが、自分も致命傷を負います。幹也は式に向かい、抱き締めあおうとする途中で式は失神します。2人とも傷も癒え、病院から駅まで並んで歩いて行きます。
 4年後、幹也は、言葉使いも女性になった式に出会い、知性、人格とは何か話し合います。
 以上があらすじです。下巻では上巻の続きと、別の2つのエピソードを含んでいるので、どうしても長くなってしまいました。だからといって面白かったか、と言われれば、否と答えざるを得ません。文章が難解だし、くどいし、抽象的な議論が多く、おまけに解説も難解で哲学書を読んでいるようでした。哲学論議が好きな方には、オススメかもしれません。