阪本順治監督の'05年作品『亡国のイージス』をスカパーの東映チャンネルで見ました。北朝鮮工作員(寺尾聰、中井貴一ら)により乗っ取られ、1リットルで東京を壊滅させられる化学兵器で武装したたイージス艦と、彼らに部下を人質にされた伍長(真田広之)、また総理大臣(原田芳雄)、防衛庁情報局本部長(佐藤浩市)らの間に繰り広げられる「ドラマ」を描いた作品で、艦船の撮り方には魅力的を感じましたが、如何せん脚本(というか原作?)が陳腐で、途中から飛ばし見してしまいました。
さて、昨日の続きです。
まず第1章では身近な例として、アメリカのモンタナを取り上げ、自然に恵まれていて、西海岸に住むセレブの別荘地としても最近開発が進んでいるこの地でも、現実には、有毒廃棄物による環境汚染、森林の減少、水資源の枯渇、気候変動、生物多様性の低下、外来種の侵入など、様々な環境問題に悩まされていることが示されます。
第2章では、イースター島の文明崩壊が語られます。もともと亜熱帯雨林に包まれていたイースター島でしたが、燃料や船の材料などに使うために森林を伐採し、その結果、森林が壊滅してしまい、それに伴い在来の植物と鳥類も死滅し(住民によって食べ尽くされたという要因もあります)、その結果、モノを作るための原材料が欠乏し、木材がなくなったことで船も作れなくなったため外洋魚も捕れなくなり、土壌浸食により作物の生産高も下降線を辿り、また外界と隔絶していたため、飢餓が始まり、突発的な人口の激減を経て、人肉食へと堕していったことが語られます。そして結論として、大平洋の島々において、文明破壊に直結する森林破壊は、「1、湿潤な島より乾燥した島 2、赤道付近の温暖な島より高緯度にある寒冷な島 3、新しい火山島より古い火山島 4、火山灰が大気中を降下する島より降下しない島 5、中央アジアの風送ダスト(黄砂)に恵まれている島より恵まれてない島 6、マカテア(珊瑚礁が隆起して海面上に出た部分)のある島よりない島 7、高い島より低い島 8、近隣関係のある島より隔絶した島 9、大きい島より小さな島」で、より起こりやすく(p.185~7)、イースター島がこれらの条件をの多くを満たしていたことが指摘されます。
第3章では、南東ポリネシアにあるマンガレヴァ、ピトケアン、ヘンダーソンの3島についての検証がなされます。マンガレヴァ島は住環境に恵まれた島でしたが、良質の石に恵まれていないという弱点を持ち、それはピトケアン島が補填していました。ピトケアン島は良質の石に恵まれているという点以外では居住にあまり適していない島で、ヘンダーソン島は隔絶した、真水に乏しい石灰岩の飛び地ながら、食料としての魚類、貝類、海鳥が豊富な島でした。ピトケアン島とヘンターソン島はマンガレヴァ島から来る交易船に支えられて居住民が450年ほど暮らしていましたが、やがてマンガレヴァ島で農民の開墾による森林破壊が起こり、人口超過、内乱、慢性的な飢餓という泥沼を経て人肉食に至ると、カヌーで遠出する余裕などなくなり、その結果、マンガレヴァ島との交流を断たれたピトケアン、ヘンダーソン両島の住民は絶滅してしまったことが語られるのでした。(またまた明日へ続きます‥‥)
→Nature Life(http://www.ceres.dti.ne.jp/~m-goto/)
さて、昨日の続きです。
まず第1章では身近な例として、アメリカのモンタナを取り上げ、自然に恵まれていて、西海岸に住むセレブの別荘地としても最近開発が進んでいるこの地でも、現実には、有毒廃棄物による環境汚染、森林の減少、水資源の枯渇、気候変動、生物多様性の低下、外来種の侵入など、様々な環境問題に悩まされていることが示されます。
第2章では、イースター島の文明崩壊が語られます。もともと亜熱帯雨林に包まれていたイースター島でしたが、燃料や船の材料などに使うために森林を伐採し、その結果、森林が壊滅してしまい、それに伴い在来の植物と鳥類も死滅し(住民によって食べ尽くされたという要因もあります)、その結果、モノを作るための原材料が欠乏し、木材がなくなったことで船も作れなくなったため外洋魚も捕れなくなり、土壌浸食により作物の生産高も下降線を辿り、また外界と隔絶していたため、飢餓が始まり、突発的な人口の激減を経て、人肉食へと堕していったことが語られます。そして結論として、大平洋の島々において、文明破壊に直結する森林破壊は、「1、湿潤な島より乾燥した島 2、赤道付近の温暖な島より高緯度にある寒冷な島 3、新しい火山島より古い火山島 4、火山灰が大気中を降下する島より降下しない島 5、中央アジアの風送ダスト(黄砂)に恵まれている島より恵まれてない島 6、マカテア(珊瑚礁が隆起して海面上に出た部分)のある島よりない島 7、高い島より低い島 8、近隣関係のある島より隔絶した島 9、大きい島より小さな島」で、より起こりやすく(p.185~7)、イースター島がこれらの条件をの多くを満たしていたことが指摘されます。
第3章では、南東ポリネシアにあるマンガレヴァ、ピトケアン、ヘンダーソンの3島についての検証がなされます。マンガレヴァ島は住環境に恵まれた島でしたが、良質の石に恵まれていないという弱点を持ち、それはピトケアン島が補填していました。ピトケアン島は良質の石に恵まれているという点以外では居住にあまり適していない島で、ヘンダーソン島は隔絶した、真水に乏しい石灰岩の飛び地ながら、食料としての魚類、貝類、海鳥が豊富な島でした。ピトケアン島とヘンターソン島はマンガレヴァ島から来る交易船に支えられて居住民が450年ほど暮らしていましたが、やがてマンガレヴァ島で農民の開墾による森林破壊が起こり、人口超過、内乱、慢性的な飢餓という泥沼を経て人肉食に至ると、カヌーで遠出する余裕などなくなり、その結果、マンガレヴァ島との交流を断たれたピトケアン、ヘンダーソン両島の住民は絶滅してしまったことが語られるのでした。(またまた明日へ続きます‥‥)
→Nature Life(http://www.ceres.dti.ne.jp/~m-goto/)