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伊藤大輔・マキノ雅弘(渡辺實)共同監督『レ・ミゼラブル ああ無情』その1

2014-05-11 07:16:00 | ノンジャンル
 伊藤大輔・マキノ雅弘(・渡辺實)共同監督の'50年作品『レ・ミゼラブル ああ無情』をスカパーの東映チャンネルで見ました。
 “斯くの如く地上に無知と悲惨とが存在する限りは、かかる性質の物語も、恐らく無益では無いであろう 1862年 ヴィクトル・ユーゴー”の字幕。山並のパン。“回天倒幕の功業を終えた薩藩東征部隊は、威風堂々九州に凱旋した”の字幕。大盛りの飯を手に持ち、逃げる岩吉(早川雪洲)。重労働を課せられる囚人たち。凱旋する薩藩東征部隊。町民の歓声。酒場では汚い風体の岩吉が、泊めてくれなければ、せめて茶漬けだけでもと頼みますが、腕の刺青を見られ、出ていけと他の客から突き飛ばされます。思わず箸立てを掴む岩吉。下がる客たち。
 犬に吠えられた岩吉は、石を投げようとしますが、教会の鐘の音が聞こえ、教会に向かいます。教会の中に岩吉が侵入し、煮え立つ鍋に手を伸ばそうとして起こる女中の悲鳴。現れた司教に腹がへっていると岩吉がジェスチャーで示すと、司教は食事に招待してくれます。出獄したばかりだと岩吉が言っても、司教は女中にお客様用のフォークとナイフと燭台を用意するように言い、妻とフランス語で話します。神妙な表情の岩吉。
 大盛りの飯。考え込む岩吉。司教に勧められますが、一口食べて止めます。「あなた、どうしましたか?」と訊く司教。岩吉は病気の姉を持ち、飢える子供を抱え、唯一の働き手であった自分もケガをしてしまい、つい大盛りの飯を盗んで、牢獄行きとなり、子供たちが心配で脱獄するも、すぐにまた捕まり、油絞りの苦役につかされ、それでもまた天窓を破って脱獄するも、また捕まり、今度は地の底の炭鉱の牢獄に繋がれ、ガス爆発で多数の死者が出た時、仲間を助けるために鍵を引きちぎって脱獄し、結局脱獄する度に腕に輪の刺青を入れられたことを話し、世を呪います。司教は「あなたの人生はこれからだ」と言いますが、岩吉は笑い、「そんな言い分は世間では通らない」と言います。「ここは神の住まいなので、安心して休んでいきなさい」と司教は寝間の仕度も女中にさせます。「安らかにお休みなさい」と言って去る司教。眠る司教。岩吉は司教の寝室に侵入し、燭台を盗みます。
 夜明け。女中は「泥棒!」と叫びます。やがて岩吉が警官に捕まって司教のところへ連れて来られますが、司教は「ナイフもフォークも皿も、みんな差し上げたものだ」と言い、燭台はペアでないといけないと言って、金の燭台をもう1つ岩吉に与えます。「私はあなたのこれからの行く末を神様と一緒に見ています」と言う司教。燭台を手に歩み出る岩吉。その姿からパンアップして教会の天辺をカメラはとらえます。
 道中、銭を投げて遊ぶ角兵衛獅子の兄妹。転がった銭を道端に寝ていた岩吉は足で踏みます。返してほしいと言う兄妹を追い払う岩吉。やがて目覚めると、岩吉は後悔し、兄妹を追いますが、姿は見当たらず、泣き崩れます。
 “1873年”の字幕。「維新後すっかり寂れていたのが、新規で始めた大漁旗の生産が名物となり、外国にもどんどん輸出し、街も栄えるようになった。すべて松野様のおかげ」と語る茶屋の女。町民たちは松野の前歴が不明であることを噂します。熊谷という新任の警部は岩吉の行方を追っています。松野の旗工場の女工の1人は田舎から来た手紙で、田舎に父なし子を抱えていることを知られ、肺病持ちであることもあり、工場をクビになります。手綱が手に引っかかり、馬に引きずられていた男は、荷車に轢かれます。今は松野と名乗る岩吉は人力車で通りかかり、助けるのを手伝いますが、そこを通りかかった熊谷は「炭鉱で一番の力持ちだった岩吉にしか助けられないだろう」と言います。岩吉はそれでも荷車の下に潜り込み、背中で荷車を押すと、荷車は持ち上がり、轢かれた男は助け出されます。
 工場をクビになった女は髪を切って売り、女郎屋に身を落としますが、金を払わない客を通りまで追いかけ、はずみでカツラが外れ、ざんばら髪の姿をさらしてしまいます。客の足に取付き、それを払われると、過って警官の顔に泥を投げつけてしまう女。警察に連れて来られた女は、クビにされたことを知って女を探しに来た岩吉が区長で熊谷の上司に当たることにより、釈放されます。(明日に続きます‥‥)

 →「Nature Life」(http://www.ceres.dti.ne.jp/~m-goto/