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松浦寿輝『川の光2 タミーを救え!』その1

2014-05-28 07:34:00 | ノンジャンル
 松浦寿輝さんの'14年作品『川の光2 タミーを救え!』を読みました。
 クマタカのキッドはツヨシとマモルという動物の密輸業者の罠にかかり捕えられ、脚革に紐が結ばれた状態で訓練を受けていましたが、脚革から紐が外され、フリーの訓練になった時を狙って、逃げ出しました。その知恵を授けてくれたのは、同じ倉庫に飼われていた老オオアルマジロのソロモンでした。キッドは水を飲むために川に降りましたが、釣り人が捨てた釣り糸にからまり、暴れていると、ゴールデン・レトリーバーのタミーがやって来て、彼を喰わえ、土管の中に隠してくれました。タミーは自分の主人である“先生”の手を借りて糸を外すため、先生を呼びに行きますが、その後、キッドの尾羽に付けられていた発信機の電波を追ってきたツヨシとマモルにキッドは見つかってしまい、また捕えられてしまいます。そこへタミーがやって来て、2人の人間の前に立ちはだかりますが、マモルは繁殖用にと言ってタミーも捕まえ、車で立ち去ります。車から捨てられる鑑札入りのタミーの首輪。
 ツヨシらの倉庫に連れて来られたタミーは、運動のために裏庭に出された時、首輪のリードを運動用のロープに付け替える一瞬の隙をついて逃げ出し、キッドのケージの扉を開け、自分も逃げ出そうとしましたが、マモルに尻尾を捕まれ、脱出に失敗します。1人逃げ出すキッド。
 キッドは初めてタミーに会った辺りに戻ると、そこでタミーの首輪を拾った雑種犬のマクダフに出会います。マクダフはタミーの友人だと言い、キッドの通信機を外して、カラスに遠くへ運んでくれるように頼みました。マクダフはタミーの救出部隊を組織するため、次の真夜中の午前零時に川の中洲で会おうとキッドに言います。そしてその時間になり、集まって来たのは、マクダフとキッド、甘えん坊の大型犬のジャーマン・シェパードのビス丸、スズメのリル、それにクマネズミの兄弟、タータとチッチでした。
 リルはキッドに導かれてタミーの様子を見に一足先に出発し、タミーに会い、救出部隊が向かっていることをタミーに伝えると、タミーの目にはいきなり涙がどっと溢れ出しました。
 地上部隊はタータとチッチがビス丸の首輪に捕まって乗り、出発しました。基本的に移動は一目につかない夜にすることにし、まず真東にある給水塔に向かいました。途中で会った“先生”は、タミーがいなくなったことで憔悴しきっていました。給水塔に着くと、そこにやって来たリルは、次の目標として教会を挙げました。途中キッドに道案内をしてもらいながら進むと、マクダフを親分と仰ぐカラスのカアスケに出会い、餌場を教えてもらいました。空家で昼を過ごした後、リルは地上部隊に、これからは都心を抜けて南のレインボーブリッジを渡ればいっぺんに距離が稼げると教えてくれます。
 彼らは教会に着き、次の目標の黄色いマンションに向けて出発した直後、目の前でお婆さんが引ったくりに会います。ビス丸は犯人の男からカバンを奪い、駆けつけた人達に犯人は捕えられますが、お婆さんはマクダフが犯人を捕まえてくれたと勘違いし、自分のマンションにマクダフを抱いて連れていってしまいます。チッチはお婆さんがマクダフを抱くために座りこんだ時に、お婆さんのコートのポケットに入り込んでいました。キッドはお婆さんを追って、マンションの位置を他のメンバーに教え、窓越しにチッチがマクダフとともにマンションの部屋の中にいることを知らせます。彼らがマクダフの救出作戦を立てていると、教会の地下に住む酔っ払いネズミのマルコが現れます。彼はメンバーが東京を横切ると聞くと、それなら地下鉄サムに助けてもらえと言って寝てしまいます。
 夜になり、チッチはマクダフが入れられたケージの鍵を開けると、扉のクレセント錠も開けることに成功し、マクダフとともにベランダに出ます。チッチを乗せたマクダフは狭いへりの上を歩き、非常階段へと向かいますが、最後にへりは途切れ、1メートルあまりジャンプしなければならなくなります。思い切ってジャンプするマクダフでしたが、前足が非常階段にかかるも、折からの雨で滑り、体が落ちていってしまいます。寸でのところでビス丸にくわえられ、落下せずに済むマクダフ。チッチは落ちてしまいましたが、それを見ていたキッドに空中で捕まれ、助けられました。(明日へ続きます‥‥)

 →「Nature Life」(http://www.ceres.dti.ne.jp/~m-goto/