山田詠美さんの'06年作品「熱血ポンちゃん膝栗毛」を読みました。新潮社の月刊誌に連載された24編のエッセイを集めたものです。
書いている内容が愉快で何度も声を出して笑ってしまったのですが、文体もユニークでユーモラスなものでした。ポンちゃんシリーズは既に何冊か読んでいたのですが、こんなに面白かったかと再認識した次第です。山田さんの自分を飾らない何ともチャーミングな様子も魅力的なのですが、その家族や仲間の人たちの言動も愉快で、例えば風呂上がりの山田さんのお父さんが全裸で部屋を横切るのをつかまえて山田さんの姪が「干し柿ぶら下がってたよ」と言い山田さんたちが一斉に笑うと、山田さんが「昔は生牡蠣だったんだよ」、「生牡蠣はあたると恐いんでしょ?」、「フライにしてしまえ」といった家族内の会話、または、家族で正月百人一首がはやった時、頭のはげ具合が山田さんのお父さんにそっくりなので蝉丸の歌が一番人気になり、次第に上の句を読む代わりに「蝉丸! !」というだけになったり「パパリン!」というようになったりしたという挿話、または、自分たちが無抵抗になるのではなく、相手を無抵抗にさせることを標榜する「チーム ガンジー」というグループを結成するとかいった愉快な話が満載です。またこの本で、ヤクザ関係の記事満載の「実話時代」という雑誌があるということを初めて知りました。
この本の魅力はいろんな物への誘惑に満ちているという点もあり、例えばここで挙げられている本で私も読んでみたいと思ったものは、早川いくを著「へんないきもの」、「家畜人ヤプー」、嵐山光三郎著「不良定年」、横山秀夫著「震度O(ゼロ)」、パール・バック著「大地」、挙げられている場所で行ってみたいと思ったのは、熱海にある戦争博物館「風雲文庫」でした。
それ以外に山田さんとの縁を感じもしました。それは同じ1959年生まれであること、金井美恵子さん、ナンシー関さん、船戸与一さんという固有名詞、そして先日読んだ北尾トロさんと関わりのある中央線沿線に生活圏を持つということです。
とにかく痛快で楽しく、また真っ当なエッセイです。文句無しにオススメです。
書いている内容が愉快で何度も声を出して笑ってしまったのですが、文体もユニークでユーモラスなものでした。ポンちゃんシリーズは既に何冊か読んでいたのですが、こんなに面白かったかと再認識した次第です。山田さんの自分を飾らない何ともチャーミングな様子も魅力的なのですが、その家族や仲間の人たちの言動も愉快で、例えば風呂上がりの山田さんのお父さんが全裸で部屋を横切るのをつかまえて山田さんの姪が「干し柿ぶら下がってたよ」と言い山田さんたちが一斉に笑うと、山田さんが「昔は生牡蠣だったんだよ」、「生牡蠣はあたると恐いんでしょ?」、「フライにしてしまえ」といった家族内の会話、または、家族で正月百人一首がはやった時、頭のはげ具合が山田さんのお父さんにそっくりなので蝉丸の歌が一番人気になり、次第に上の句を読む代わりに「蝉丸! !」というだけになったり「パパリン!」というようになったりしたという挿話、または、自分たちが無抵抗になるのではなく、相手を無抵抗にさせることを標榜する「チーム ガンジー」というグループを結成するとかいった愉快な話が満載です。またこの本で、ヤクザ関係の記事満載の「実話時代」という雑誌があるということを初めて知りました。
この本の魅力はいろんな物への誘惑に満ちているという点もあり、例えばここで挙げられている本で私も読んでみたいと思ったものは、早川いくを著「へんないきもの」、「家畜人ヤプー」、嵐山光三郎著「不良定年」、横山秀夫著「震度O(ゼロ)」、パール・バック著「大地」、挙げられている場所で行ってみたいと思ったのは、熱海にある戦争博物館「風雲文庫」でした。
それ以外に山田さんとの縁を感じもしました。それは同じ1959年生まれであること、金井美恵子さん、ナンシー関さん、船戸与一さんという固有名詞、そして先日読んだ北尾トロさんと関わりのある中央線沿線に生活圏を持つということです。
とにかく痛快で楽しく、また真っ当なエッセイです。文句無しにオススメです。