辺野古新基地建設
知事、辺野古承認取り消しを示唆 第三者委報告「法的価値を認識」
2015年7月30日 6:51
翁長雄志知事
【東京】翁長雄志知事は29日、県の第三者委員会が辺野古埋め立て承認手続きに「瑕疵(かし)がある」とした報告書を出したことに「私は辺野古には絶対に 基地を造らせない、造れないと思っているので、その視点から第三者委の法律的価値を認識しないといけない」と述べ、報告書の指摘に沿って承認を取り消す意 向を示唆した。東京都中央区で開かれたシンポジウム「いま、沖縄と本土を考える」(朝日新聞主催)で、作家の佐藤優氏の質問に答えた。
辺野古新基地の代替案として米軍普天間飛行場を嘉手納基地や下地島空港に移す案についても問われ、「沖縄県民はそれ(2案)を選択できない。辺野古が難しいから嘉手納、下地島にしてくれということは論理的に成り立たない」と明確に否定した。
シンポジウムは翁長知事が基調講演し、パネル討論は星浩朝日新聞特別編集委員が進行役を務め、寺島実郎日本総合研究所理事長、佐藤氏、山口昇東京財団上席研究員、翁長知事が登壇して議論を交わした。
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辺野古新基地 協議書取り下げ要求
翁長沖縄知事が防衛局に
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(写真)沖縄防衛局に対し協議文書の取り下げを要求したと発表する翁長知事=29日、那覇市
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沖縄県の翁長雄志(おながたけし)知事は29日、沖縄防衛局が名護市辺野古の海底ボーリング(掘削)調査終了前に、新基地建設の本体工事着工に入 るため県に提出した護岸の設計図と環境保全対策に関する協議文書について、受理した上で、防衛局に取り下げるよう要求しました。
翁長知事は、那覇空港で記者団に対し「県としては、事前協議はボーリング調査終了後、全体の詳細設計を基にして実施すべきであると考えており、全体の詳細設計が終了した後に改めて全体にかかる協議書を提出するよう求めることとした」と述べました。
同日、県は防衛局に取り下げるよう求めた文書を手渡しました。
取り下げを求める理由として、▽連続した一体の護岸全体による環境影響に対して環境保全対策等を検討すべきである▽一部分の護岸の実施設計に基づ いて環境保全対策等を検討すべきではなく、埋め立て全体の実施設計に基づいて総合的に詳細検討しなければならない▽埋め立て全体の実施設計が完了しなけれ ば協議を開始することはできない―ことを挙げています。
県は防衛局に対し、8月10日までに取り下げるかどうか回答するよう求めています。
前知事は、埋め立て承認の際、工事着手前に実施設計と環境保全対策を県と協議することを条件に付けていました。