次ぎの質問に移ります。
天文館の問題でございます。市長と教育長に質問したいと思います。
天文館を縮小・閉鎖しようという考え方は、私は世界の進歩の流れに逆行していると考えております。天文館を生かしたまちづくりこそ、今後の向日市にふさわしい、また必要だというふうに思います。
ことしは、ガリレオが初めて望遠鏡をつくって天体を見た、それから400年目の年であり、世界天文年とこういうふうに世界に呼びかけられている年でございます。
私は、天文館でいろんなことを勉強すれば、人間が広い宇宙の中でどのように生きていくことが正しい生き方なのかを学ぶことができるというふうに考えます。また、天文館で勉強すれば、地球を守るためには戦争がいかに愚かなものか、戦争に反対し、平和な社会の建設がいかに大切なのかを学ぶことができると思います。
さらに、天文館は物事の根源と、そうして、その物事がどう変化するのか、また、未来を知ることができるというふうに思うわけであります。多くを語る時間はありませんが、最近は、この宇宙のちりから生物の誕生過程がわかるようになってきております。さらに進めば、命をつくり出せるかもわからない、そういう時代になってきております。
天文館でガリレオの精神を学ぶことは、物事を考えるときに、国際的感覚から宇宙的感覚を身につけた人間を育てることに非常に役立つ、このように思います。宇宙の窓口であり、ロマンの詰まった建物、それが天文館なのであります。この点について、どのように思われますか、お聞きをしたいと思います。
京都南部の市でプラネタリウムがあるのは城陽市と、今度、木津川市の中に入った加茂町しかありません、京都市は伏見にございますけれども。天文館を軽視するという考え方は、文化の進歩にブレーキをかけ、新しい創造を妨げるに等しい行為だと思うのであります。
天文館を、星空を見て楽しんでいるだけと、まるでむだ遣いをしているようなふうに考えておられる方がおられるとすれば、それは余りにも認識不足と言わなければなりません。現在、進められる目先のにせ行革のための縮小・廃止の対象にしてならない向日市の宝なのであります。市長、教育長のお考えをお聞きしたいというふうに思います。
さらに、次の事項について具体的に質問をさせていただきます。
その一つは、先ほども言いましたように本年は国際天文年、1,000万人参加方の呼びかけが出されております。この呼びかけ文を読まれたでしょうか。
天文館を生かすまちづくりについての基本をどのようにお考えでしょうか、お聞きしたいと思います。
それから、3から7までは天文年として全世界に呼びかけられている内容の5項目であります。その一つは、ワクワクする本を多くの人に見てもらうために、これは天文書でございます。子供さんから大人まで、いろいろ天文書を多くのところで見てもらうために、図書館、学校の図書館、公民館などを、ぜひ充実さしていただきたいという呼びかけが出ております。
二つ目の呼びかけは、全国どこでも世界天文年、プラネタリウムへ行こうという呼びかけが出ております。
三つ目には、7月22日に皆既日食が見られます。これの中継プロジェクトなどが呼びかけられております。
四つ目には、天文教育シンポジウム2009世界天文年からつなげていくために、「世界天文年の活動に携わったすべての方、神戸で会いましょう」というカンパニアが呼びかけられております。
私は、向日市の代表、誰かを送ればよいなというふうに思うわけですけれども、どのようにお考えでしょうか。
五つ目には、世界天文年への参加方針を向日市としてつくる必要があるのではないでしょうか。先日の予算説明では、天文館関係の人件費は削減するという内容が報告されましたけれども、いろんな主催する行事、取り組みなど、天文年にふさわしいような提案はなされておりません。そういう提案が今後、担当者、あるいはほかのところからも呼びかけがございましたら、向日市として、その取り組みに参加すればよいと思うんですが、そういうことを実施する考えはあるかどうかをお聞きします。
向日市の子供たちに物事の根源を探求するきっかけも、地球温暖化を解決する道も、天文館で学ばせていただきたいというふうに思いますけれども、市長のお考えをお聞きしたいというふうに思います。
市長の答弁です
第2番目、天文館についてのご質問にお答えをいたします。
天文館は、国のふるさと創生事業を受けまして、市民の皆様の提案をもとに、平成5年7月、開設をしたものであります。
この提案は、昭和63年、環境庁が実施しました「スターウォッチング星空コンテスト」において、「星空の街」に選ばれたことが背景にあり、緑豊かな自然に恵まれた特性を生かし、子供たちに夢と希望を与える企画と評価されたものであります。
天文館は、きょうまでプラネタリウムの投影や天体観望会を主たる事業に、プラネタリウム室でのコンサートや子供天文教室などさまざまな天体に関する事業を実施して、市民の文化・学習の向上、子供たちに夢と感動を与える社会教育施設として、まちの活性化に一定の役割を果たしてまいりました。
本年は、イタリア科学者ガリレオ・ガリレイが望遠鏡で初めて宇宙を観察してから400年に当たることから、世界天文年と定められ、世界各地でさまざまな事業が取り組まれております。
本市の天文館におきましても、世界天文年に関連した事業を企画しており、これを機会に、子供たちが本来持っている自然への興味と科学への関心を深め、物事を探求する心が育まれることを期待しております。
次に、天文館の管理運営状況についてでありますが、これまでから、収支バランスの改善を図るため、運営方法の見直しや人件費の抑制など、効果的、効率的な運営に努め、大幅な経費削減を行ってきたところであります。
しかし、市外利用者に比べ市内利用者が少ないこと、維持管理経費の単位当たりのコストが高いこと、受益者負担が少なく、ほとんどが市税で運営されていること、施設の性格上、頻繁なリピーターの拡大が難しいことなどから、平成18年度の本市の事務事業評価においては、休止・廃止の方向で検討するとしたところであります。
さらに、開設してから15年余りが経過し、プラネタリウム機器の老朽化が進み、機器の更新時期を迎えておりますが、更新には多額の経費を要することから、延期をしているのが実情であります。
このように天文館は、現在、さまざまな課題を抱えながら運営しておりまして、プラネタリウム事業につきましては、根本的にそのあり方を検討しなければならない時期に来ていると考えております。
私の方からは以上でございます。
次に、教育長の答弁です。
2番目の天文館についてのご質問にお答えいたします。
本市の天文館は、プラネタリウム室と天体観測室、星見台、展示室を備え、身近に宇宙のロマンを体験でき、また、子供たちが天文の学習をする施設として、 市民の皆様はもとより市内外保育所、幼稚園、小・中学校から多くの方々が来館されております。天文館は、今日までプラネタリウムの投影や天体観測室、星見 台での定例観望会、特別観望会、公園や学校に出向く出前観望会のほか、プラネタリウム室でのたなばたコンサートやクリスマスコンサート、夏休み子供天文教 室などさまざまな事業を実施し、生涯学習や学校の教育活動にこたえ、市民文化の向上と学校教育の充実に寄与してきたところであります。
議員ご案内のとおり、本年は国際天文年と定められ、世界各地でさまざまな事業が展開されており、本市天文館におきましても、「めざ せ!1,000万人!みんなで星を見よう!」や、「君もガリレオ」プロジェクトなどの企画に参加し、その内容は私も読ませていただいたところでございま す。天文館では、第2土曜日に開催している天文観望会や、野外観望会、あるいはプラネタリウムの鑑賞を通じて神秘的な星の光を楽しんでいただく予定にして おります。その他、新規事業として、7月22日には、日食観望会、8月21日には子供天文工作教室を開催し、ガリレオが初めて宇宙を観察したものと同様の 口径が4センチの天体望遠鏡を組み立てる事業等を通じて、世界天文年の企画に参加するところであります。
学校におきましては、これまでから、理科の授業などで日食や流星群などの天文現象や、自然科学のイベント等について児童・生徒に紹介し、体験 を通して興味・関心が高まるよう働きかけをしてきておりますが、国際天文年に関しましても、本市の取り組みを広く情報提供してまいりたいと考えておりま す。
また、天文に関する本についても、天文館に約100冊、市立図書館に児童・一般図書を合わせて約580冊、小・中学校の各図書館に約50冊程度置いて、市民の皆様や児童・生徒の天体、宇宙、地球への興味・関心と探究心にこたえております。
天文教育・シンポジウムにつきましては、今後、詳細が判明した時点で検討してまいりたく存じます。
本市の子供の教育、天文館での学びについてでありますが、今日の子供たちの現状は、科学に関する学習の基盤となる自然体験、生活体験が乏しいと 言われており、来年度から移行措置が行われる新しい学習指導要領の理科においても、小・中学校を通じて、子供たちが知的好奇心や探究心を持って自然に親し み、目的意識を持って観察実験などを行い、科学的に調べる能力と態度を育てるとともに、自然の事物・現象についての理解を深め、科学的な見方や考え方を養 うことをねらいして改善が図られたところであります。そのような中で、各学校におきましては、発見や驚き、感動など豊かな創造性を育むため、自然観察や調 査などの自然体験を初め、職業体験、農業体験などさまざまな体験を伴う学習を行っており、その体験を生かして教科学習を一層充実につなげております。
また、環境問題やエネルギー問題など地球規模の問題について、科学と人間や自然とのかかわりに関する学習を進めることも重要であり、理科だけ でなく、技術家庭科、社会科、国語科、総合的な学習時間等の相互に関連を図りながら指導の充実を図ることが、より必要であり、天文・物理を含むさまざまな 自然科学が体験できる総合型の学習施設や教育機器の活用など、総合的な学びが求められてきております。教育委員会といたしましては、今後とも、次代を担っ ていく子供が生きる力、知・徳・体をしっかり身につけ、未来への夢や目標をいだき、創造的で活力に満ちた豊かな社会をつくる営みや、地球規模の課題に積極 果敢に取り組み、世界の中で信頼される人間として育ってくれるよう、しっかり取り組んでまいりたいと考えております。
さて、天文館の管理運営についてでありますが、これまでから、収支バランスの改善を図るため、運営方法の見直しや人件費の削減に取り組んでき たところであります。
平成19年度には、再任用職員の配置、20年度には、平日のプラネタリウム一般投影を土曜日・日曜日・祝日に集中させるとともに、さ らに職員体制を見直したところであります。また、21年度から、プラネタリウムの投影を学習番組中心に行うとともに、
一般市民を対象にした投影は第2土曜 日と翌日の日曜日に集中させ、行うこととしております。
このような中で、施設開設から15年余りが経過して、プラネタリウムの機器のオーバーホールや、制御機器、周辺機器の更新時期に来ております が、多額の費用を要するため、更新を延期している状況であります。このように天文館は、現在、さまざまな課題を抱えながら運営している状況でございます。
私の方からは以上でございます。
(登壇)大橋の再質問
プラネタリウムの問題について再質問さしていただきます。
教育委員会あるいは文部科学省の方では、今後、非常に、そういう内容を教育に取り入れて、宇宙的に物を考える人間をつくっていくためにという方針が出されているわけですけれども、しかし、お金が足りないというふうなことから、文科省のそういう教育方針にこたえられないようなふうになりそうでございます。
そこで、市長は、お金のことだけではなくて、今、教育長が話されましたように、天文館が持っている目的というのは非常に大きな意味があるし、今後、財政的にいろいろ工面をしていただいて、廃止・中止ということではなく、充実・強化の方向にぜひ取り組んでほしいということを希望する次第です。
先日も、地球温暖化の問題が話されましたけれども、これは、やはり天文館へ行って勉強せんと、本当にどうして地球温暖化をなくしていくのかというふうなことなどについて、本質的なことはわからないんじゃないかとも思うわけです。
それから、現在、全国にプラネタリウムというのは余りございません。非常に貴重な施設です。現在、市町村の数は1,800ほどあるわけですけれども、そして、また市長が力を入れておられるJRの駅は4,636もあるんですけれども、プラネタリウムは全国にわずか300しかありません。ですから、向日市民、特にお子さんを中心にして、そこに近くにいるということがどれだけすばらしいことかということを考えていただければ、わかるんではないかと思うわけでございます。
市長も、天文館についていろいろ関心はお持ちだとは思うんですけれども、一つ、別に質問はしておりませんが、わかりやすいことですので、知っておられるかお聞きしたいんですけれども、太陽の周りをいろいろな星が回ってますわね。太陽系全体の重さですね、その中で、太陽は何番目ぐらいの重さがあるかご存じですか。太陽が重たいから飛んでいかへんのです、惑星は。
太陽の重さは、惑星の中で何%の重さを持っているかご存じですか。別に知ってたらどうや、知らんかったらどうやというわけではないんですけれども、一応、まあお考えを。
市長の答弁
大橋 満議員の再質問にお答えをさせていただきます。
天文館の目的につきましては、設置目的は私も理解しているつもりでございます。これは、やはり青少年、特に子供、小・中学生、それから市民の皆様が、やっぱり宇宙の美しさとか、それから宇宙の不思議さ、その体験をしていただいて、私は市民文化が創造され、発展することを願い、開設されたものと認識をしております。そういう設置目的の上で、私は天文館が設置されたものと思っております。
それから、議員ご指摘の、このような天文館の施設を充実・強化していってはどうかという要望でございますが、要望は要望として受けさしていただきます。
それから、もう一つ難しい質問でございましたが、太陽系の全体の重さの中で、その太陽の重さということでございますが、私は、その天文学についての知識は余り持ち合わせておりませんので、存じ上げません。申しわけございません。勉強しておきます。
大橋の再々質問と要望事項
太陽系全体の中で、99.8%が太陽の重さだそうです。だから、大方太陽の重さなんですね、太陽系というのは。水金地火木土天海冥、全部足してもね、たった0.2%。そやから飛んでいかへんのです。
それから、ちょっと読んでましたらね、私ら、水金地火木土天海冥と習って、そのほかにもっとようけ惑星が、太陽の周りを回ってる星があるんかどうかというようなことで聞かれたときに、余り知りませんわね。 ところが、最近もう非常に、何といいますか、発見されるのが早くて、時間があったら質問しようかなとも思っていたんですけれども、小さい星でセドナとかいう星があるんだそうです。それは太陽の周りをね、1万5,000年かかって1回廻るのです。1万5,000年に1回しか廻らないという、そういう惑星もあります。
それから、先ほど、質問の中で天体見てたら生物の根源がわかるという話で、NASAが出している本を読みますと、地球の周りにたくさん星のごみが飛んでますね。それは1日に1万トン地球に降り注いできてるんです。ところが空気の摩擦で小そうなるからわからへんということです。その中でも、直径が100メートルとか、200メートルとか、10メートルとか、そういうものがたくさん飛んでいるそうですけれども、それの中に、有機物が混じっていたら、それの細かいのが地球にたくさん降り注いでいるので、それが海にたまって、高圧の電気・雷やらいろんな影響で何億年もかかって生物になった可能性があるということで、その星のくずの中に有機物があるかどうかというのをNASAで調べておられるそうです。
どうして調べたかというと、ロケット飛ばしてですね、人工衛星、星にバーンとぶつけるんです。そんなら星がバーッと細かく飛びますね。そのちりを集めてね、地球へ持ってかえってきて、その中で有機物があるかどうか調べた。そしたらあったというんです。だから、生命の根源は、そのちりのように落ちてくるそういうものの中の有機物が一つの単細胞みたいになって、そして段々変化してきたんじゃないかということで、「ネイチャー」という科学雑誌にそういうことが載っております。
などなど、天文館でやっぱりいろんな勉強をするということは、今までの既成概念を取り払って、非常にいろんなことを考える基礎になるというふうに思うんです。地球上にあるすべてのものはね、宇宙に全部必ずあるんです。それは当たり前ですね、地球も宇宙の中の一つなんですから。
そういうことで、宇宙を研究するということは、今後人間がどういうふうに生きていったらええかとかね、それから、物事はどうしてできるかとか、それから、ずっと読んでいったら地球はどうして死んでいくかまで、いろいろ研究されており、いま太陽がどんどん膨れているんです。遠い将来、地球も全部飲み込んで、しまいに死んでいくのに何年かかるかとかですね、そういうふうないろんなことが載っておりますので、そういうところから、物事に対する、先ほど、教育長の言われた関心を持ってやっていくという点で、天文館はやっぱり残して、天体を知ると同時に、いろんな面で興味を持つ入り口だというふうに理解する必要があると思います。
また、世界に人材を派遣していく、そういう人を育てる施設にもなるというふうに思いますので、今後もう一回考えると言うていただきましたけども、先ほど申し上げました5項目の呼びかけを初めとして、ぜひ検討していただきたいというふうに思います。
これは要望として申し上げます。
このようなやりとりをして、重要性がわかって頂いたと思っていたら、ひき続き縮小の方向です。さらにたった10年の基本構想の中に、遠大な天文館について「抹殺する」ように消されているではありませんか、そういうことなので、私は、「行財政改革」という名目で、必要な・大切なものを、ムダと考える人が、いかに間違っているかを告発し、改善したいので以下の再質問を行うことにしたのです。
Ⅱ 再び 向日市「天文館」利用の充実について
3月議会での、私の質問への答弁が、守られているのか、
「世界天文年」だというのに、天文館を閉鎖する方向に行政は 進んでいるように見受けるが、どうなのか問う
1 第5次総合計画では、どう言う位置づけになっているか?
2 市民鑑賞・利用が減り続けているのではないか、対策は?
予算だけの問題ではなく、 団体鑑賞だけではなく、
他に考えはないのか問う。
3 充実させると言う方針になっていないから、ではないのか、
充実するためにどうするのか ということになっているか、
関係者の誰もが知恵を出すには、どうすればよいと思われるか 問う
文教委員会で視察に行った宇部市では、1967年につくったプロネタリュームがあるだけで、閉鎖直前から年間750万円くらいの予算で4年間で3倍近くの市民を集め、非常に楽しそうに運営されている現場を見てきた。少し紹介する。
参考にすべきと思うが どうか問う
4 今後は充実発展させる為に全力をあげると言う決意を表明して頂きたい。