12月21日、向日市議会は最終本会議を開きます。各議案の採決とともに政府などに提出する意見書案が審議されます。私の担当は、以下の賛成討論です。もしご意見があればコメントください。
民意を締め出す比例定数の削減をしないように求める意見書
に賛成討論致します。
大橋みつる
本意見書は、全議員が賛成していただける内容でありますので、ご賛同のほどよろしくお願い致します。
民主党が来年の通常国会で、参院の比例区廃止・定数削減とあわせて、衆院比例定数の削減に着手する方向で動き出していることが、同党の内部文書で明らかになりました。
その文書は「選挙制度の改革について」と題する「部外秘」で、民主党参院執行部が議員総会で配布したものです。そこでは、参院の「1票の格差」是正のためとして、同院の比例区を廃止し、議員定数を大幅に削減する3案を示しています。その上で、「衆議院選挙制度の改革」として、現行180の衆院比例定数を80削減し、100とし「将来的には完全小選挙区制とする」と明記しています。
もともと小選挙区300と比例区200で出発した現行制度について小選挙区=「民意の集約」と比例区=「民意の反映」の組み合わせと説明されてきました。「集約」をそのままにして「反映」を半分にしてしまうのは、制度の根本的な改変です。
しかもその文書は、「完全小選挙区制」を目指すとしており、「制度の基本を維持」などというのは詭弁(きべん)にすぎません。
大政党に圧倒的に有利な選挙制度を通じて少数政党を排除し、国民の中にある多様な民意を大政党の主張にまとめてしまうもので、国会審議は空洞化します。まさに議会制民主主義の破壊です。
参院の「1票の格差」の問題では、2009年9月の最高裁判決が、「現行の選挙制度の仕組み自体の見直しが必要となることは否定できない」と指摘。さらに今年11月17日の東京高裁判決で、今年7月の参院選挙で最大5倍の格差となった定数配分について違憲と断じました。こうした流れの中で、喫緊の課題となっている「格差」是正とセットで、参院定数の削減を断行し、それと連動させて衆院比例定数削減を進めようという重大な動きでありますす。「1票の格差」の是正は待ったなしに対応が求められることは当然です。しかし、「1票の格差」の是正と、衆参各院の定数削減を進めることは別の問題です。
民主党議員の一人は、「来年2月に今年実施した国勢調査の結果が出てくる。定数不均衡是正をしっかりやり、その中で参院で削減できるところはしっかり削減する。そこの削減レベルと同じレベルで(衆院)比例区を削っていく。そういうイメージで参院を先行させ、夏ぐらいまでにまとめる」と述べています。
菅直人首相は10月1日の所信表明演説で、衆参の議員定数削減について年内に党内合意、その後の与野党協議をまとめていくと表明しています。また11月11日岡田克也幹事長も、国会議員歳費の1割削減を推進しつつ、「定数削減がもちろん本命だ」と強調していました。
これらの言明は、次期総選挙を、比例削減を実現した上で行う意思を示したものです。
衆参両院にわたって議員定数を削減する動きは、「政治主導」といいながら、「三権分立」のなかで、行政府に対し立法府の力を弱めるものです。これらの動きは、主権在民という日本国憲法の精神を踏みにじる物として断じて許せないものです。
衆院選挙と民主党中心政権になったとき日本国民が経験した事実は、自民党はダメダという風が吹けば、獲得した票数はあまり違わないのに、議席は大幅に差が出て政権交代になる。民主党は衆議院で過半数になったから、先に述べたように、このさい議席に物を言わせて小選挙区ばかりにしようとする。もしそんなことを決めていま選挙をすれば、民主党は殆どの選挙区で落選するのではないかと予測されるのではないでしょうか。自民党が自ら作った法律で崩壊したのと同じように、民主党も崩壊という同じ道を進むことになるのではないでしょうか。
国民の支持する票数に応じて国会議員を比例配分する制度にすれば、国民みんなが納得出来るのです。40%の支持で70%の議席をかすめ取ろうと考えること事態が、世の中を狂わせているのです。
日本より早く小選挙区制を実施した国々が、その制度の不公正に気付き取りやめているのが世界の流れです。本意見書は、もうこれ以上民意の切り捨てをしないようにと言う国民の願いであり、小手先の選挙制度の手直しで権力を握り、政治に混乱を持ちこむ比例定数の削減をしないように関係機関に要求する意見書です。
全議員のご賛同を呼びかけ賛成討論とします。