北朝鮮産石炭の流入 「米国からクレームない」=韓国大統領府
2018/08/08 14:51
【ソウル聯合ニュース】韓国青瓦台(大統領府)の金宜謙(キム・ウィギョム)報道官は8日の定例会見で、国連安全保障理事会の制裁決議により禁輸品目に指定されている北朝鮮産の石炭がロシア経由で韓国に持ち込まれ、政府が制裁を履行していないとの指摘が出ていることに対し、「対北制裁の主体である米国がこの問題について韓国政府にクレームを言ってきたことはない」と反論した。この問題に対し、米国務省が「韓国政府を深く信頼する」という論評を発表したとも説明した。
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北朝鮮産石炭を運搬したと推定される船舶が韓国・浦項の港に停泊している=7日、浦項(聯合ニュース)
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その上で、金氏は「北の石炭の搬入疑惑を問題視するなら真っ先にすべき米国がわれわれを信頼すると言っているのに、韓国のメディアがネガティブな報道を続けることは理解しがたい」と指摘した。
また、ボルトン米大統領補佐官(国家安全保障担当)が7日(現地時間)に米FOXニュースのインタビューで、青瓦台の鄭義溶(チョン・ウィヨン)国家安保室長(閣僚級)と電話で北朝鮮産石炭の韓国搬入疑惑を話し合ったと述べたことについて、青瓦台は通常の協議の一環でのやりとりだったと説明した。
一方、安保理が北朝鮮への迅速な人道支援を可能にする新たなガイドライン(指針)を採択したことと関連し、金氏は「人道支援はいつでも行うべきであり、北の非核化を引き出すことのできる手段だと考える」と述べた。ただ、韓国政府が北朝鮮への人道支援の準備をしているかどうかは分からないとした。
韓国政府は昨年9月、北朝鮮への人道支援として国連の機関に800万ドル(約8億9000万円)を供与することを決めたが、まだ支援を実施していない。