プーチン大統領辞任を
ロシア地方議会が要求
ロシアの首都モスクワと第2の都市サンクトペテルブルクの地方議員グループが、ロシアのウクライナ侵略戦争を批判し、プーチン大統領の辞任を要求する要請書を地方議会に提出しました。侵略とそれに伴う民主主義弾圧に抗議の声が高まっています。(田中健一)
プーチン氏の地元のサンクトぺテルブルクでは、スモーリニンスコエ地区の議会が7日、プーチン氏辞任を求める要請書を可決しました。
要請書では、スモーリニンスコエ地区議会は、ウクライナ戦争を引き起こしたプーチン氏を「国家反逆」者としてロシア下院に対し弾劾するよう要求しています。
同地区のニキータ・ユフェレフ議員はツイッターで8日、▽若い兵士を戦争で死なせている▽経済に打撃を与えている▽(戦争の結果)北大西洋条約機構(NATO)の拡大も招いたことを弾劾理由として挙げ、プーチン氏の辞職を要求しました。
モスクワ市ロモノソフスキー地区の地区議員グループも7日、プーチン氏の辞任を要求しました。プーチン氏や側近の言動が、長期にわたり緊張をもたらし、冷戦時代に逆戻りさせていることや、恐れと憎悪がロシアに再来し、ロシアが核兵器で世界中を再び恐怖に導いていること―を批判しました。
ロシア国内総生産(GDP)や賃金が伸び悩み、賢く有能な働き手が国外に流出していることも指摘しました。
一方でサンクトペテルブルクの警察は、決議を推進したスモーリニンスコエ地区の5人の議員に、ロシア軍を侮辱したとして出頭を要求しました。同地区は反体制派の野党が2019年の地区議会選挙で勝利し、ウクライナ戦争開始直後に反戦集会開催を求めたことがあるなど反プーチン勢力の地盤です。
ロシアでは9日から11日にかけて多くの地方自治体で選挙が行われ、モスクワの125地区でも地区議員選挙が行われました。14日以降に結果が判明します。反体制派の議員の得票が注目されます。モスクワ市選挙管理委員会によると11日の現地時間午後6時で32・8%と前回選挙の投票率14・82%上回りました。