H3打ち上げ失敗
第2段着火せず指令破壊
宇宙航空研究開発機構(JAXA)は7日午前、新型ロケット「H3」試験機1号機を種子島宇宙センター(鹿児島県)から打ち上げました。しかし、約5分後に予定されていた第2段エンジン着火が確認されなかったため、打ち上げの約14分後に機体の破壊を指令する信号を送信。打ち上げは失敗しました。
JAXAによると、1号機は午前10時37分55秒に打ち上げられた後、新たに開発された第1段エンジンの燃焼を完了し、第1段と第2段の分離はほぼ計画通りに完了しました。ところが、第2段エンジンの着火が確認されなかったため、所定の軌道に投入できる見込みがないことから、同51分50秒に地上からロケットに指令破壊信号を送りました。機体はフィリピン東方沖に落下したとみられます。
1号機は、地球観測衛星「だいち3」を搭載していました。
JAXAは同日、山川宏理事長を責任者とする対策本部を設置。原因調査を進めます。山川理事長は記者会見で「期待にこたえられず、深くおわびする」と述べました。打ち上げ執行責任者の岡田匡史H3プロジェクトマネジャーは、原因究明を急ぎ、早期の回復をめざすと話しました。
原因特定し再起を早く
的川泰宣JAXA名誉教授の話 まいったという気持ちです。JAXAチームには、今回の失敗を前向きにとらえていただきたい。とにかく早く原因を特定して、次の対策を取り再起することが、世界の信用を取り戻す一番の方法ではないかと思います。