2024年10月3日(木)
主張
共産党の緊急提言
高齢者の人権と尊厳をまもれ
日本共産党が9月26日に発表した「年金削減、介護の危機、医療の改悪をくいとめ、高齢者の人権と尊厳を守るための緊急提言」が反響を呼んでいます。
「提言」は、物価高騰のもとでの年金の目減り、介護の提供体制の危機、命と健康を脅かす医療費の負担増など、高齢者の暮らしを支える基盤の“崩壊”が起こるもと、高齢者の人権と尊厳を守ることが政治の重大な責任であることを明らかにし、緊急の打開策を打ち出しています。
■年金・介護拡充を
年金では、物価高騰にふさわしい引き上げを提起しています。自公政権の12年間に、公的年金は実質で7・8%も削減されました。政府は今後も年金の「実質減額」を続ける一方、現在290兆円(給付の5年分)にのぼる年金積立金のさらなるため込みを続け、100年後には1京7000兆円(給付の23年分)に積み増す試算も示しています。こんな本末転倒の政策をやめ、高額所得者に適正な負担を求めるなど、保険料収入を増やす手だてをとるなら、年金の引き上げは十分に可能です。
介護では、職員の賃上げと労働条件の改善、介護報酬の底上げ、事業所への公的支援など介護の基盤崩壊を打開する対策を、保険料・利用料の負担増に連動させずに実行するため、介護保険の国庫負担割合を現行の25%から35%に、10%引き上げることを提案しています。
介護保険の国庫負担割合の10%増は、この間、介護の再生を求める多くの有識者・関係者が一致して要求しており、かつては、自民党・公明党も国政選挙の公約に盛り込んでいました。それを実行するときです。
医療で自公政権は、一昨年、75歳以上の窓口負担2割の導入を強行し、9月の「高齢社会対策大綱」には3割負担の対象拡大「検討」を明記するなど無慈悲な政策を続けています。「提言」はこの負担増にストップをかけ、負担を軽減することを訴えています。
「提言」は、政府や財界がふりまいてきた、「社会保障が高齢者に偏っている」、「高齢者向けの予算を子どもや若者に」など、世代間の「対立」をあおり、高齢者を“じゃまもの”扱いする攻撃に正面から反論しています。
■世代間分断許さず
家族の介護のために仕事をやめる「介護離職」が年間10万人にのぼるなど、介護の危機は現役世代にとっても大問題です。高齢期にまともな年金が保障されないという現実は、若い世代にとっても将来への希望を失わせる事態です。年金削減や医療・介護の負担増は、家計の所得を減らし、生活不安を増大させ、経済にも大きな打撃となります。
政府が自ら日本社会の分断を進め、世代間のバッシングを助長するなど許されるものではありません。27日の投票が予定される総選挙は、高齢者の暮らしを壊し、人権と尊厳を否定する自公政治に審判を下す絶好のチャンスです。
日本共産党は、「提言」の内容を広範な有権者に知らせながら、社会の分断を乗りこえ、社会的な連帯の力で高齢者をはじめすべての人々の人権と尊厳が大事にされる日本社会の実現をめざし全力を尽くします。