■□復活させたい商店街 大型店の出店でシャッター通りに
市内の多くの商店街がさびれてシャッター通りになってしまいました。
私たちは大型店の出店に反対し規制を求めていましたが、向日市商工会の役員の方々は、大型店ができてもそこに来るお客さんが、自分の店にも来るので「共存共栄」できると言って、私たちの意見を聞き入れてくれませんでした。商店街の客足は、大型店に流れてしまいました。「黒壁」のまちづくりで成果をあげている長浜市などにも視察に行って、議会でもその経験を話しましたが力不足でした。
「秀吉の意向」で生まれた由緒ある商店街を、時代は変わっても、何とかして復活させたいものです。
蜷川虎三さんは、地方自治の原点は地域消防だと言われていました。
■□市民の生命・財産を守る拠点 消防署からどこの家も五分以内に
向日市役所が新築された一九七〇年、消防署は商店街の一角から庁舎敷地内の、現在では選挙の期日前投票を行っている場所に移されました。
元京都府知事の蜷川虎三さんは、地方自治の原点は地域消防だと言われていました。共産党向日市議団はその考えをいつも心がけていました。
私は、図書館がある土地が府道に面した市有地でしたので、そこに移転するよう要求しました。そして最終的には、現在のところ(競輪場の北側・交差点前)になったのです。
当時、 府道よりちょっと高くなった場所に、 「たこ公園」があり、市民の利用も多かったのです。公園を移転させてまで消防署をその下に建設するなど気がつきませんでした。まさに、どこへも五分以内で行ける良い場所を選ばれたものだと、市長の判断に脱帽したことを思い出します。
消防団は、古い地元の方々と結びついているので、保守的な人が多いと思われています。しかし、市民の側から見れば、昼夜の別なく財産を守るために働いていただいている大切な方々であり、その労苦に感謝しなければなりません。共産党議員団は、毎年、年末警戒されている現場に激励のあいさつに出かけています。地元の責任者が出迎えてくださるようになり、消防団員の青年も、好感を持って敬礼してくれます。
■□40年前に車椅子が通るバリアフリーのスロープ 市民会館
「中ノ段遺跡」のところにある市民会館は、一九七二年に福祉会館としての補助金を申請して建設されました。私は建設委員会の副委員長をしていましたので、車椅子が通れるスロープをつくれと主張し、舞台裏の装置も専門家の意見を取り入れ設計を変更させました。(2019年解体中、新消防庁舎が建設される)
エレベーターの設置を要求したのですが、拒否されました。いまとなれば、その必要性は明らかです。関係者に年配者が多かったのに、先が見えていなかったのが残念です。二〇〇〇年一月にやっと設置されました。
裏でうごめいた黒いつながり 市有財産と用地費問題
■□図書館・資料館建設用地費問題 市有財産の処分は条例に従って決めよ
京都府は、長岡京遷都一二〇〇年事業という名目で知事選に向けて、自治体へのばらまき行政を進めていました。その一環として、向日市には文化資料館、長岡京市には記念文化会館を建設するという話が伝わってきました。府はそれぞれ建設用地を無償提供せよと言ってきました。長岡京市は、天神さんの池の北側に並んでいた区有財産の池を提供することになったと聞いていました。向日市では、図書館・資料館が建っている土地を無償提供しようとしていました。
私は、知事選前の「馬の鼻先に人参」のようなやり方に疑問を持つと同時に「無償提供」という点がどうしても合点がいきませんでした。
市有地の処分に関する条例はどうなっているのか調べました。「財産の交換、譲与、無償貸付等に関する条例(昭和三九年三月二六日 条例第一三号)」は、以下のようになっています。
第1条 地方自治法(昭和二二年法律第六七号)第二三七条第二項に基づく財産の交換、譲与、無償貸付等に関しては、この条例の定めるところによる。
(普通財産の交換)
第2条 普通財産は、次の各号の一に該当するときは、これを他の同一種類の財産と交換することができる。
(2) 国または他の地方公共団体その他公共団体において、公共用または公共用に供するため、本市の普通財産を必要とするとき。
2 前項の規定により交換する場合において、その価格が等しくないときは、その差額を金銭で補足しなければならない。
この条例を守らなければなりません。無償提供などもってのほかです。
他の条項で、地震、火災、水害等の災害により期限を切って、(普通財産の譲与または減額譲渡)(普通財産の無償貸し付けまたは減額貸し付け)との項目がありますが、いずれも今回の趣旨にむりやりあてはめることは適切ではないと主張し、必要な用地は京都府が土地代を出して購入するのが当然であると主張しました。
この場所に、府立埋蔵文化財センターと文化資料館、図書館が併設されていますが、全体の五〇%の用地代と、センター・資料館は京都府が予算を出して建て、資料館の運営は向日市が行う。図書館は向日市が建設することに決まりました。府の押し付けをやめさせ、市有財産を守ることができました。
法の下では自治体には上下はなく平等ですが、実際は、指導という名目で、府県から市町村が無理難題を押し付けられ、泣き寝入りしなければならないことが多くあります。議会の多数が指導の行きすぎだと反対すれば撤回させることができます。私は多数の議員を説得できる理論的根拠を示すために法律、条例、規則、「内規」を調べました。
法律に反する「市役所内だけの規則・内規」があり、それは無効だと主張したこともたびたびありました。