3時に起きてバタバタと支度をした
早朝の山手線の本数がこんなに少ないとは思っていなかった
発車時刻7分前に東京駅に着き お茶だけ買って乗り込む
二度の乗り継ぎをして福井駅に着いたのが バス発車数分前
駅前のバス停を探すより 何度か通って利用しているバスターミナルのほうが確実と またまた走る
この一年ですっかり馴染んだ風景に 義兄の姿が重なる
迎えに来てくれた姉は 普段と何も変わりが無かった
本家のご長男と義兄の実の弟が既に式の手配をして下さっていて 私の出る幕など何処にも無かったが
本当に有りがたかった
喪主の妹とはいえ 義兄と血の繋がりは無く土地の人間でも無い私は 何処と無く微妙な存在で 居心地は複雑
でしゃばらんでおけば良いかと^^
葬儀の慌しさが人の悲しみを一時忘れさせる
その為に行われるのだな とさえ感じる
姉も仕事が沢山あるようなので お通夜のあと 私は一人ホテルに泊まった
翌朝 早起きをして町を歩いてみた
小さいけれど碁盤の目になった古い一角がある
古い木造の洋館があった
煉瓦を使っているが 色が曖昧だ
近寄ってみたら なんと煉瓦風に刻みを入れて着色した杉板だった
いいねぇ~~~
それにしても こんな時にも私って・・・
だが 義兄の育った町 姉の20年の歴史の町を残さず見ておきたい そういう気持ちもあったのだ
この土地の火葬場の最後のスイッチは 一番親しい身内が押すしきたりだそうだ
以前 姉は辛そうに 是が嫌だと言っていた
その時が来て 姉は私に再び同じ事を言った
何言ってるの 誰よりも姉とR(甥)にそうして欲しいとお義兄さんは思ってるよ
そう言って 背中を押した
義兄の妹の夫である人から 姉は凄いと言われた
誰一人知り合いの居ない町に東京から嫁ぎ あっという間に顔を広め 人脈を作った
此処に生まれて長く住む我々でも あそこまで顔は広くない
これも人柄というのか 人徳だね と
私は知っている 姉のそういう性格を^^
悪い方に出る事もあるが 此処では見事に花を咲かせたようで とても嬉しかった
体型こそ違うが 同じオカッパ頭で何処と無く顔も似ているのだろう
妹とわかった方々から 姉を支えてあげてと頼まれた
本家のお嫁さんは新潟美人 姉の事を○ちゃんと呼んで親身になってくれているようだった
その方が でも○ちゃんがこれから一番頼りにするのは○子さんだと思うから 話を聞いてあげてねと言われた
わかっています!二人姉妹ですし
葬儀の残務整理も諸々の手続きもある
姉は暫くは 泣く事も忘れて忙しい日々を送ることだろう
それは私も経験したから よく判る
泣くのはもう少し後 走り書きしたメモ 初めてプレゼントしたネクタイ お気に入りだった品々
日常のちょっとした隙に そういう物を目にして 人知れず泣くのだろうと思う
先の事は なんとかなる 身体にだけは気をつけて
それにしても 田舎の新聞ってのはやだねぇ~
訃報欄があって お年寄りになると一番先に是を見る人もいるって
義兄は いずれ此処にも自分の名前が載るんだ って 言ってたな
それを見て駆けつけて下さった同級生も何人かいらっしゃったが・・・
式典全てが苦手な私は あんな辛気臭い音楽を流さずに 義兄が好きだったストーンズでも流せ と思ったりもして
そんなこんなで 普段使わない神経を使い 酷く疲れた
洗濯の山を見て 溜息をついている
でも あるであろう明日の為に やらなくっちゃね
生きているって 素晴らしい