姉の見送り

姉を送る時　姉はありがとうね　と言い

私は　気をつけてね　と言う　

そして　バイバイと　手を振って

姉の　姿が　見えなくなるまで　

ずっと　目で追っている

姉は　いつも　決して振り返らない

それが　姉の照れと意地からだと　判っている

判っていて　私は　いつも　後姿を　

視界から消えるまで　じっと見つめている

そして　消えちまったら　踵を返して

自分の世界に戻る

何十回となく繰り返してきた　姉の見送り

いつも　ほんのちょっぴり　切ない想い

重要文化財の壺の顛末

昨夜は３人で外食をした

帰ってきてから　早速あの壺をご開帳してみようということになった

例の　重要文化財の壺　と父の手で書かれたものだ

勿論　本物のわけが無い

父が何を思ってそう書いたのか　果たして何が出てくるのか　

壺では無いかもしれないし　「残念でした」と書かれた紙と石ころが出てくるかもしれない

あるいは　それは昔から見慣れたものかもしれない

包装を解くと　木箱が現れた

墨で書かれた文字は薄いのと達筆なのとで「花」以外は判読できない

一応落款もあるようだが　大したものじゃないね

蓋を取ってみた

確かに壺だ　花瓶かな

二つの丸い輪の取手がついている

磁器陶器じゃないみたいだ

鋳物？

周囲には鳳凰の絵がある

姉と二人　何でこれが重文なのよ～と笑いながら　ひょっとしたらレプリカかなと思った

どちらにしても父の趣味じゃない　骨董もこの壺自体もだ

何処から来て　何かも判らない　永遠に謎の壺となってしまった

魔法のランプのように　いや　ハクション大魔王みたいに　擦って父を出し　訊いてみたい

父が憶えていればの話だが

追記：重要文化財の壺について　以前日記にも書いた

　　　其の事を憶えていて下さった方が二人いらした

　　　私達と同じようにワクワクして下さり嬉しい限り

　　　結果は思ったとおりだったが　もしレプリカであれば実物は何なのか　目下興味津々である　

なんたって 世帯主

姉と甥がやってきた

志望大学のオープンキャンパスと文化祭の見学らしい

東京に着いたら大学に真っ直ぐ行く　姉もデパートなんぞ覗く　なんて言っていたのに計画変更で家に来ると電話

慌てましたがなぁ～

姉は　ひとに入れて貰ったお茶が美味しいと言い　機関銃のように話まくって　で　二人して今出かけました

一人の生活に慣れると　人が居るっていうのは例え身内でも気を遣うもの

嬉しさ半分　メンドクサイのが半分

でも歓待します　親の分まで

なんたって　世帯主なんだから

居場所の一つ

何を思ったのか　社長が社員一人一人と面談を始めた

入社して間もない順から始めて　私はいつの間にか最後の方になっていた

質問内容は既に機密漏洩

だが　あまり訊かずにしておいた

まず仕事とは・・・ときたもんだ

奇麗事は言えない性質で　生きがいじゃないと答えた

生きがいとやりがいは違うからねぇ～

たまにはこうして仕事とはなんて考えるのも悪くない

私には大切な居場所の一つ

だからこそ　遅刻も病欠も無くやってきた

だが他にも居場所はあるし　これからも創造できると思っている

自分の居場所が大切ならばそれを守る努力をすべきだが　居場所なんてものは一つじゃない

夢であろうが妄想であろうが　幾つ持っていたっていい

狭い世界だけが自分の居場所だなんて思わないで欲しいと　自殺の話を耳にする度に思う

そうそう　最後に言っておきたい事はと訊かれてよっぽど　いじめにあってます～と言おうかと＾＾

背が小さいだの　胸が無いだの　頭が尖ってるだの（全て事実だけど～）身体的欠陥？（特徴だね）と言われ

挙句の果ては　これも全て信頼と愛情の言葉だと＾＾

はいはい！感謝してます！気にもしてないし～

これが　私の居場所の一つ

アンタの話は いつも其処かい！

会社の人のロレックスの腕時計　ぶつけた拍子にガラスの蓋が取れた

修理に出したら　１０万円だったという

せいぜい５万くらいかと思った　それなら初めに言ってくれっていうんだ　って言うから

じゃ　１０万と聞いたら修理しなかったの？と尋ねたら　笑って　いや　したけどさぁ～と

人って面白いよね～　どちらにしても修理する事に変わりは無いってのに

高価なものは何でも　お金や手間がかかるように出来てるもんね

そうそう　毛皮だってクリーニングは高いし　高級外車だって維持費も大変だし　なんて話していたら

やにわに一人の男が私の傍に来て　こそっと言った

イイ女も金がかかるんだ　と

アンタの話は　いつも其処かい！