花菜

畑をあるくと、秋に種をバラまいた野菜たちが
勝手きままに育っている。
こぼれ種でいつの間にか大きくなった株も、
暖かくなりはじめると、花芽があがってきて、
トウがたちはじめる。
いわゆる、菜花というやつ。

アブラナ科の野菜は、たいてい黄色い花を咲かせるので、
畑をひとまわりすると、
食べ切れないくらいの、花菜がとれる。
茎ごと折りとって、摘みたてをさっと湯がいて食べると、
柔らかくておいしい。

晩春には、茎たち菜と呼ばれる「宮内菜」がとれる。
宮内菜は、花よりも、独特の歯ざわりの茎がおいしい。
ちょっぴり甘くてほろにがい、
お店には売っていない、春の味。

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