みどりの一期一会

当事者の経験と情報を伝えあい、あらたなコミュニケーションツールとしての可能性を模索したい。

続・どっこい条例は生きている

2005-03-21 10:43:50 | ジェンダー/上野千鶴子
とにかく無事に帰って来た。
今朝の新聞を見ると、九州北部はたいへんなことになっている。
じぶんだけ助かった、と喜んでいるばあいではない。

ところで、
『We』2.3月号の橋本ヒロ子さんへの「桑名市の男女平等推進条例は廃止された、は間違い」というわたしの指摘について反響があるので、その後、の経緯を書いておきたい。
「事実誤認」の指摘については、フェミックス(編集者)を通じてご本人に伝わっている。やりとりについては、私信なので公開しないが、佐賀から帰って来たら、編集部を通じて釈明が届いていた。納得できないので、再返信しているところ。

『We』の記事を、この条例の問題に取り組んでいる桑名市議小川さんにFAXして、これまでの事実関係を整理してもらった。孤軍奮闘して闘っている友人とは、小川まみさんのことだ。

<これまでの事実関係>
・2002年3月議会で「桑名市の男女平等をすすめる条例」が賛成多数(反対1)で可決。
・2003年8月5日、法定合併協議会で、「男女共同参画事業については、現行の桑名市の内容をもとに、新市において、調整し実施する」と協議事項として確認された。
・2004年3月議会、「桑名市の男女平等をすすめるための条例改正を求める決議  
(決議は、議会運営委員会において取り扱いを協議します。この決議に反対する会派が無かったため、議場で表決をとることはなく採択することになりました。私一人が無会派です。その私も本会議場で「異議あり」といい損ねてしまい、議事が進行して不本意ながら全会一致になってしまいました。)
・2004年6月議会 
「条例を見直すための補正予算」(アドバイザー3名分の報償費、旅費 471,000円)
・2004年9月議会
「『桑名市の男女平等をすすめるための条例』の失効を求める決議」を、賛成多数で採択
(この時は、反対意見を言いたいので、「この決議の取り扱いについて議会運営委員会での決定から、すべてに『異議あり』を連発するから」と議会事務局に言いました。この決議には共産党も反対するので、討論することになりました。改正しろと言っておいて、せっかくつけた補正予算も消化しないうちから、失効を求めるのは、自己矛盾としか思えません。はじめは、失効ではなく、「廃止を求める決議(案)」となっていましたが廃止はおかしいので失効という表現に変わりました。12月に合併して議員が28名から58名に増えると、条例を廃止できなくなるとの判断が働いたと思われます。)

<小川まみさんが、3月議会に際して、桑名市と話しあった内容>
「Q:条例は議会の議決で改廃するのに何故、失効を求める決議で、失効したままなのか?過半数で失効できてしまえば、自治法の条例の改廃に関する規定が意味をなさなくなる。手続き的におかしいのではないか?
A:今回はたまたま合併があったから失効しただけ。合併がなければ、失効はしない。議会の決議を尊重して条例を引き継いでいない。(総務課)
政策課では、多くの支持が得られる条例にするために、時間をかけて見直しをする。急いで上程して、否決されては意味がない(困る)ので、下地の準備ができてから上程したい。
男女共同参画事業は、国の基本法や県条例を根拠に推進していく。条例は引き続き、見直し作業を続ける。」

<小川まみさんのコメント>
「つまり、執行部も条例は無くなったとは、判断していないので、廃止ではありません。合併協議では、男女共同参画事業は、条例も含めて現行の桑名市の例による。と決定しています。
これに反する決議を尊重したことについて「合併協議に反する決議を一部の旧議会が合併前にして、それを新市が尊重したのでは、合併前の協議が無意味になるが、違法ではないのか?」と総務省に聞いたところ、
「違法ではないが、合併協定書の決定事項は尊重すべきである。協定書を根拠にして、協定事項が守られるようするべきである」との見解だった。


以下は、新設合併と編入合併の「条例・規則」の取り扱いについての法的手続きを、わたし(みどり)が調べて整理したもの。

-----------------------------------------------------
「新設合併」
・合併関係市町村の条例・規則は失効する。(暫定条例について地方自治法施行令3条参照)
「編入合併」
・編入される合併関係市町村の条例・規則は失効し、編入する合併関係市町村の条例・規則が適用される。
------------------------------------------------------------

桑名市の場合、「新設合併」なので、地方自治法施行令3条の暫定条例が適用されます。
「第3条 普通地方公共団体の設置があった場合においては、第1条の2の規定により当該普通地方公共団体の長の職務を行う者は、必要な事項につき条例又は規則が制定施行されるまでの間、従来その地域に施行された条例又は規則を当該普通地方公共団体の条例又は規則として当該地域に引き続き施行することができる。」ということです。
つまり、
「男女共同参画事業は桑名市を引継ぐ」と合併協定で合意されていますので、「新たな条例が議会に上程され、制定・施行されるまで、旧桑名市の男女平等推進条例を暫定条例として施行できる」、ということです。これで法的に条例の空白期間はなくなります。
通常「暫定条例」は暫定的に条例として制定・施行するのですが、自治法施行令3条の場合、「制定することができる」ではなく、「施行することができる」となっています。
当然、制定・施行済みの条例だから、ということでしょうが、ここでは、自動的に引継ぐということなのか、何らかの意思(処分)が必要なのか、ということが問題になります。
「新市の設置と同時に自動的に旧条例を引継ぐ」という解釈なら、「いまは暫定条例として、旧桑名市の条例が施行されている状態」であり、処分などが必要ということであれば、「長がこの手続きを怠っている(行政不作為)」ということになります。
いずれにせよ、「条例は廃止されていない」ということが共通認識となっているわけですから、議会と行政のゴタゴタ(政治的圧力)で上程が遅れても、とりあえず市民に不利益にはなりませんね。

「合併で条例が消えるということは絶対にあり得ない、なんらかの法的措置で担保されているはず」と思って調べていたが、わたしもずいぶん勉強になった。
それにしても、ひどい話だ。

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地震、その後

2005-03-20 13:26:20 | お知らせ
山陽新幹線は、地震のため、博多・広島間で上下線とも折り返し運転になったと、車内案内があった。地震を知ったのが広島だったので、きっとこの後から動いていないのだろう。最初は11時ころに佐賀をたつ予定だったが、もう少し早いチケットを取ってもらった。偶然とはいえ、よかった。わたしの乗っているのぞみ12号は、5分遅れで京都に着いた。
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佐賀で大地震!

2005-03-20 12:59:52 | お知らせ
10時53分ごろ福岡・佐賀に強い地震があったらしい。ともちゃんのメールで知った。今朝まで佐賀にいた。博多から新幹線に乗ったのが10時25分。危機一髪だった。いまのぞみの中から携帯メールで送信している。昨日出会ったひとたち、大丈夫かなあ。
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佐賀からこんばんは。

2005-03-19 23:55:37 | 市民運動/市民自治/政治
佐賀からこんばんは。
午後のシンポジウムも無事に終わった。 
参加者の半分が議員と聞いていたが、新聞を見て、初めて参加した市民が多かった。話しがむずかしかったのではと心配したが、あとで見せてもらったアンケートには、有意義だった、新しい考えにふれた、と書いている人か多く、まずはホッとした。     
終わってからも、元気な市民派女性議員たちと、もりあがった。 
長丁場で疲れたけれど面白かった。
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せつない別れ???

2005-03-18 09:11:16 | 花/美しいもの
今日はともちゃんの一般質問の日。
残念ながら、わたしは講師に呼ばれて、
佐賀のアバンセ(佐賀県女性センター)に行く。
3日間のせつない別れ(笑)。
でがけにバスセンターまで送ってもらう。

佐賀からの携帯メッセージをお楽しみに。

では、いってきまーす。
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どっこい条例は生きている。

2005-03-17 23:57:10 | ジェンダー/上野千鶴子
『くらしと教育をつなぐ We』2.3月号が届いた。
ジェンダーフリー論争と、特集「続・続・バックラッシュを打ち負かせ!」に関心があったので、定期購読することにしたものだ。

記事は読みごたえがあり興味深かったが、橋本ヒロ子さんの文章を読んでおどろいた。
桑名市の「男女平等条例が廃止された(されようとしている)」という2カ所は、あきらかに間違い。
自治体の法である「条例」は、「廃止条例」の議決がない限り、そんなに簡単に廃止できるものではない。

桑名市の男女平等を推進する条例は、12月の市町村合併により、上程が遅れてはいるが、「廃止」されてはいない。バックラッシュ派も、「失効した」とは言いふらしているが、「廃止」とは言っていない。
まさに、バックラッシュによって市長が条例を出ししぶっている、という状況だが、合併協議でも合意事項となっているので、手続き的には、当然、新市に引き継ぐべき条例である。
男女平等条例を擁護するはずの立場の人たちに、簡単に死んだことに(廃止)されてしまっては、たまらない。「事実誤認」により、バックラッシュ派に力を与え、現場はますます見捨てられてしまう。
わたしの友人は、この桑名市で、条例を守ろうと孤立無援でたたかっている、というのに・・・・。

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はたけの野菜

2005-03-16 10:40:11 | 有機農業/野菜&ハーブ
暖かくなってきたら、野菜たちがグングン大きくなった。
うれしいけれど、一番南のやせてる畑なので、葉のいろが黄色くなってきた。

初秋に蒔いた菜っ葉は、すでにとう立ちを始めている。
晩秋に蒔いた株のすき間に、ともちゃんが米ぬかと鶏ふんを置いた。
これで雨がふれば、だいじょうぶかな。

きのう畑に出たときは、冷たい小雨が降っていた。
今日は晴れた。
花粉がたくさん飛ぶそうな。

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トラックバックって、なあに?

2005-03-15 23:54:53 | Weblog
「トラックバックってなあに?」とブログをしていない友人に尋ねられたので、そのお返事です。


「トラックバック」というのは、
「相手のブログの特定の記事に、関連する自分の記事をリンク(張り付く)したことを表示する」機能です。通常のリンクと違うのは、「こちらから相手に逆リンクする」、つまり「手出しの役はわたし」で、「勝手に相手の記事に張り付く」。
訪問してくれる人を待っているだけのHPと、決定的に違うところです。

ブログは、外に開かれた窓のようなもので、だれでも外からのぞく(閲覧する)ことができますが、そのうち何人かが記事にコメントし(玄関のチャイムを鳴らし)、何人かが気に入った記事にトラックバック(花束をわたす)します。
トラックバックのきっかけは、キーワード検索です。
例えば、「感じない男」とか「しない女」を検索すると、関連のブログが表示されます。gooサイトは検索機能が充実していて、同一サイトだけでなく、「すべてのブログ」が検索できます。

(この解説は、実際にブログを始めた人用のような気がするのですが、これで理解できるのでしょうか?ちょっと心配。)

トラックバックされた相手は、くっつけられた記事が迷惑なら、編集画面で消すことはできますが、内容を変更したりはできません。
記事に共感してトラックバックすることが多いので、消されることは少ないと思いますが、迷惑メールのように、だれかれ構わずトラックバックする人は、「トラックバックスパム」と呼ばれるそうです。
ブログは、不特定多数に公開しないことも、トラックバックもコメントも拒否する設定も選択できます。
自分の書いた記事に、コメントやトラックバックされるのは、けっこううれしいもので、わたしは相手にお礼のコメントを書きます。コメントはだれでも書けますが、トラックバックは、ブロガー(ブログを持っている人)同士しかできません。

わたしは、知らない人の関連の記事にトラックバックする場合は、「TBしました」として、「はじめまして・・・」と簡単なコメントを残してきます。
トラックバッすると、相手のブログに表示されますので、そのブログの読者が興味を持ってのぞきにくるということが増えます。相手もお礼にトラックバックしてくれることが多いので、相互リンクすることになり、その人の記事を継続的に読みたい場合は、「リンク/ブックマーク」に入れます。これは特定の記事ではなく、相手のブログを自分の「お気に入り」に入れる、ということです。

トラックバック機能や引用を使わなければ、ブログはただの知人あての日記ですが、トラックバックを使うことによって、情報や読者の範囲は飛躍的に広がります。
表に出ているのは、「コメント」と「トラックバック」の数ですが、その記事のタイトルをクリックすると、コメントやトラックバック記事を開くことができます。

実地で経験するのがいちばんですので、関心があったら、『「感じない男』と「しない女」・・・」の記事をクリックしてみてください(コメント5件、トラックバック2件です)。その上で、トラックバック記事をクリックすると、相手の記事に飛びます。

具体的なトラックバックのやり方は、
1)ブログの記事のひとつずつに、固有の「トラックバックURL」が必ず表示されていて、それをコピーして、自分の記事の編集画面で送信する。
2)すると、相手のトップページの右または左の帯に「トラックバック」タイトルが表示される。本文の記事の下には、トラックバックした記事のタイトルと本文の冒頭が表示される。
3)そのタイトルをクリックすると、トラックバックした記事に飛びます。

昨日のわたしのブログの閲覧数は292件です。
アクセスが多いのは、きっと、「上野千鶴子」というキーワードにひかれて訪問する人が多いからですよ(笑)。

長くなりましたが、とりあえず終わり。
トラックバックについて、もっと分かりやすい説明できる人、ぜひ教えてください。

コメント (2)
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先週よんだ本

2005-03-14 23:58:24 | ほん/新聞/ニュース
『感じない男』の書評を載せたら、
著者の森岡さんご本人からトラックバックがあり感激。
斉藤さんや山口さん、海音さん、
すてきな人たちとの出会いもあったし、
なんかうれしいですね。

で、昨日につづいて、本のこと。
ちょっと遅れたけど、「先週よんだ本」。

いまはやりの新書では、
『ポストコロニアリズム』(本橋哲也著/岩波書店/2005)
『病院なんか嫌いだ-良医にめぐりあうための10箇条』
 (鎌田實/集英社/2003)
『禅的生活』(玄ゆう宗久/筑摩書房/2004)
『僕の叔父さん 網野善彦』(中沢新一/集英社/2004)

文庫本は、
『いのちのハードル』(木藤潮香/幻冬舎文庫/2005)
『東大で上野千鶴子にケンカを学ぶ』(遥洋子/ちくま文庫/2005)

単行本は、
『性のお話しをしましょう~死の危機にひんしてそれは始まった』
 (団まりな/哲学書房/2005)
『年報・政治学2004 オーラルヒストリー』
 (日本政治学会編/岩波書店/2004)

今日読んでいたのは、
『ナラティブの臨床社会学』(野口裕二著/けい草書房/2004)。
この本は、『構築主義とは何か』(上野千鶴子編/けい草書房)の、
第一章「臨床のナラティブ」を書いた野口さんが著者だったので興味があった。

上野さんの講演会の申込みに対応するために、
できるだけ家にいるようにしていたので、
新書や文庫本で暇つぶししていた。
といっても、あんまりヒマでもなかったけどね。

今夜は、高貝弘也の詩集『半世紀』
を読みながら、ねむりにつくことにしよう。

では、またあした。

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『感じない男』と『しない女』~女と男の深くてくらーい・・・

2005-03-13 10:04:32 | ジェンダー/上野千鶴子
日曜日の朝、まっさきに読むのは、朝刊5紙の書評欄。
全国紙・地方紙にいっせいに、書評が載る。

朝日を読み終えて、岐阜新聞を読んでたら、
めちゃおもしろい書評に出会った。
きっと共同通信の配信だろう。
評者を見ると、なんと上野千鶴子さん。
おもろいハズだ。
(上野さんの書評が新聞に載るのはめずらしい。
 上野さんから届いた最新刊『老いる準備』は、
 朝日と読売の広告に載っていたが・・・。)
上野さんのことブログに書いて寝たばかりなのに、
起きてすぐに、また上野さんだぁ(笑)。

本のタイトルは、『感じない男』
(筑摩書房/714円/2005)。
著者は、森岡正博さん。
森岡さんと言えば、
『無痛文明論』(トランスビュー/2003)、
『男は世界を救えるか』なども書いている。
(上野さんも『女は世界を救えるか』を書いてるけどね)
さっそく本屋に買いに行こう。

男のホンネが出てきたところで、
女のホンネ本もおもしろい。
12月に出た、亀山早苗さんの、
『しない女 私たちがセックスしない理由』(大和書房)
も合わせて読むと、いいかもしれない。
亀山さんは『男が「離婚」を語るとき』とか、
不倫シリーズを書いているフリーライター。

岐阜新聞をとっている人は、さっそく書評欄を読んでみて!
とっていない人のためには、岐阜新聞(2005.3.12)から、
上野さんの書評の全文を引用して、掲載しておきます。


   感じない男      森岡正博著
--------------------------------------
  -性のヒミツを語る-
 猥談(わいだん)は男の共通語、と言われてい
るが、ほんとうに男が一人称で自分の性について
語ってきたか、わたしはあやしんできた。男の性
談義には「百人斬(ぎ)り」だの「何回イカせた」
だのいくつかの定型があって、それにのらない性
経験は、かえってタブーとされているのではない
か、かんじんなことは語られないままに来たので
はなかったか。そのわたしの疑問に答えてくれる
本が、ようやく出た。「私はなぜミニスカに欲情
するのか」「私はなぜ制服に惹(ひ)かれるのか」
・・・・が、「私自身」の言葉で語られていて、そ
の自己解剖が潔く、好感が持てる。
 森岡さんはかりではない。「ボクはなぜポルノ
でヌケてしまうのか」「避妊しないでセックスす
るとき、オレは相手の女をどんな目で見ているの
か」などなど、男の性のヒミツを、一人称単数形
で語る男たちが、ようやく登場し始めた。
 女の目から見れば、男という未知の身体の経験
だから、へぇ-、そうだったのか、というオドロ
キがある。男の読者なら、ここまでヒミツをばら
すなよ、と怒るかもしれない。
 とはいえ、「発見」の多くは、やっぱり、とい
うものだ。ミニスカに欲情するのはミニスカとい
う記号に欲情するので、女性に対してではない、
という発見は、どんなパーツも記号として発情で
きてしまう男の性欲のフェティッシュな文化度
(動物から遠く離れて)を示すし、制服フェチは
学校フェチ、そして実は洗脳どころか少女の身体
に入り込みたい究極の支配願望、と聞けば、情け
なくて笑ってしまう。
 ところで「ほんとは私は感じてないんじゃない
のか?」という問いのバンドラの箱を開けたあと
には、男が自分のカラダを愛しておらず、セック
スを汚いものと思っている、というおそろしい(
ていうか、誰もが知っているにもかかわらず、認
めたがらない)事実が横たわっている。そうだった
のか。汚いことをするために依存する相手だから、
女を憎めるのか。う-む、女性嫌悪の闇は深い。
(ちくま新書・714円)
          (上野千鶴子・東大教授)
--------------------------------------------
「感じない男ブログ」

『しない女 私たちがセックスしない理由』

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