常住坐臥

ブログを始めて10年。
老いと向き合って、皆さまと楽しむ記事を
書き続けます。タイトルも晴耕雨読改め常住坐臥。

鮭の朝飯

2012年10月30日 | 日記


知人から新潟のお土産に鮭をいただいた。遡上してきた新鮭を切り身にして、天日に少し干したものだ。塩分がほとんどないので、焼いたものに醤油をかけまわして食べる。乾燥させたものだから、皮と身の間に油があつまり、しっかりした皮ともども実においしい。この一品があるだけで、朝飯が充実し、今日の一日が満たされた感じになる。

鮭は日本では最も親しまれてきた魚といってよい。鮭は淡水の川に遡上して産卵するが、孵化して3、4センチになると、再び外海に出て、主に北洋で回遊して成長する。ほぼ4年を経過して生まれた川に産卵のために帰ってくる。産卵期は9月から12月ごろまでだ。メスが川床の砂利や小石を掘って産卵すると、オスはその卵のうえに乳白色の精子をかけ、砂利で覆い隠して種族保存に最後の力をふりしぼる。

産卵と射精の済んだ親鮭は力尽きて死んでしまう。産卵のため川を遡上する鮭は、餌をほとんど食べず、貯えていた脂肪分がどんどん抜けていって、不味くて食用にならない。それでも上流で鮭をとる人々もいた。産卵前の鮭をとると、寒風のなかで縄で吊るして干しあげて一冬の蛋白源として利用してきた。山形県にある山村である鮭川などは、そんな鮭の利用が地名となった。

堰堤を躍り越えつつ鮭のぼる 藤田 右亟子

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