ズッキーニの成長は早い。芽をだしてからわずか2週間ほどで、葉がぐんと上に伸び始めた。中心部にはもう実をつけた花芽がついているのが見える。ズッキーニを植えだしてから、5年目になるが、皮肉なことに、隣の畑の方から分けてもらった初年度が一番順調に収穫できた。その後味をしめて、毎年苗や種を植え続けているが、途中でうどん粉病にかかり収穫を断念することが続いている。
果たして今年はどんな成績であろうか。いまのところは順調な生育を見せている。管理が難しいように思う。とくに発生しやすいうどんこ病には防除の薬もあるので、今年はこまめな管理に気をつけたい。玉村豊男の『農園からの手紙』には、このズッキーニが「新顔の野菜」として紹介されている。
最近ではスーパーの野菜売り場でもよく目にするようになったが、以前はデパートにいかなければ、求めることができなかった。その上、一本200円~300円という高値で、とても食卓にのせられる野菜ではなかった。畑を借りて野菜作りを始めたひとつの動機は、ズッキーニのような珍しい野菜を自分で作ってみたいということでもあった。
玉村豊男はズッキーニの食べ方を紹介している。
「うちでいちばん頻繁にやるのは、輪切りにしてグリルで焼く方法。焦げめが少しつくくらいまで焼いてオリーブ湯と醤油を混ぜたものと塩胡椒、好みでレモンのドレッシングをつけて食べる。ほのかな甘みが生きて、毎日いくら食べても飽きない。」
もうあと10日もすれば、ズッキーニ初取りが楽しめる。