畑から収穫したナスとズッキーニにピーマンとパプリカを買い足してラタトウユを作る。トマトの甘みが全体にまわって美味しくできた。ちなみにバジルは去年収穫した葉を塩をしたものを、塩ごと利用してみた。塩に香りがついていてバジルの香りが利いている。きょうの昼食はフランスパンにラタトウユと決めた。部屋中にラタトウユのおいしそうな香りが漂っている。
これは有名なフランス料理でニース地方が発祥の地だ。そのためにフランスではニース風ラタトウユと呼ばれる。使う油はオリーブオイルでなければならない。そうすることで冷えたものをオードブルして食べても非常においしい。畑にはまだ収穫には間があるピーマンとパプリカがあるので、これが収穫できるようになると、すべて自家製野菜でラタトウユができる。野菜作りから料理まで、目標にしてきたた老後の生活がもう少しで実現する。この年になると、料理を手作りすることが大変になる。
しかし、生きるということは食べものを作りそれを食べられる形にしていくことが原点である。94歳になった義母は、食べる楽しみだけをたよりに毎日を送っている。少しづつ食べる量が減っていって自然と死に至ることこそが人間の死に方であるべきだ。妻にだけ料理を作らせて食べていてはならない。野菜を作り、収穫をし、自分でそれを料理して食べてみる。食べるものを買ってくるのではなく、種を蒔いて雑草をとり、葉や実を収穫する単純な作業のなかに、実は生きる意味が秘められている。