7月25日の山行は、岩手山を計画している。高速の東北道を滝沢で降り、馬返しのキャンプ場からから登り、八合目の山小屋で一泊。翌日に頂上を経て下山するコースだ。深田久弥の『日本百名山』では、「雄偉にして重厚、東北人の土性骨を象徴するような山」と紹介されている。この山の麓で育った石川啄木にとっては、故郷のシンボルの山であった。東京へ出て文学を志した啄木が、執筆に疲れて思い出すのはこの山の姿であった。
かにかくに渋谷村は恋しかり
おもひ出の山
おもひ出の川
ふるさとの山に向かひて
言ふことなし
ふるさとの山はなつかしきかな
馬返しから8合目の避難小屋まで、約1000mの高度を登る。並みの登山者の脚で5時間を要する行程である。登山道を彩る夏の花、コマクサ、ウスユキソウ、シオガマ、シモツケなどに会えるのが楽しみである。