常住坐臥

ブログを始めて10年。
老いと向き合って、皆さまと楽しむ記事を
書き続けます。タイトルも晴耕雨読改め常住坐臥。

白楽天の晩年

2015年07月30日 | 漢詩


60歳を過ぎてから、白楽天は官界を去り、洛陽に隠棲する身となった。時の権力者が覇権を争って、闘いを繰り返す現実を避けたのであった。楽天の設けた子どもたちは、皆幼くして世を去り、その落胆が隠棲を後押ししたのかも知れない。

初めて香山院に入って月に対す 白楽天

老いて香山に住せんとして初めて到る夜

秋 白月の正に円なる時に逢う

今より便ち是家山の月

試みに問う 清光知るや知らずや

白楽天は64歳のとき、香山院を修築して住み、仏教に傾倒した。香山居士と号し、僧侶ちと交わった。出る月を仰いで、今日からはわが家の月とつぶやき、安息の境地に到ったのである。自家製の酒と万巻の書を香月院に移し、詩作に意欲を燃やしていた。64歳で今まで詠んだ詩文を整理して『白氏文集』60巻を編んだ。しかし、病が身体を蝕み、68歳で中風患い、75歳でこの世を去った。
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