山ユリ
2015年07月01日 | 花
7月に入って初めの日にベランダの山ユリの花が開いた。もう20年以上も前のことになるが、山の旅館に泊まったとき、お土産に貰った食用のユリ根を、鉢植えにして毎年花を観賞している。大きな鉢であるから、球根はたくさん分化して、何本も茎を出す。さすがに鉢のなかで増殖しすぎて、茎は細くなっている。掘り起こして植え替えをと考えているうちにその年が過ぎて、もう20年以上も経ってしまった。
すぐひらく百合のつぼみをうとみけり 安住 敦
ユリをなぜこう書くのか。ものの本によると、地中にある鱗茎、球根のことだが、これは根ではなく、葉が変形したものらしい。ここに養分を蓄えて、生命の源になっている。冬になって地上にある葉や茎は枯れてしまっても、この鱗茎は朽ちず、春になるとここから新しい芽を出して、夏にまた花を開く。この鱗茎がしっかりと重なり合っている形から、百合という漢字にあてたという説がある。
これからの季節、山の尾根道で山ユリに会うのは楽しい。いままで一番多く、この山ユリを見たのは、尾花沢の翁山である。地図学者の五百沢智也さんのご家族と、この翁山で山ユリを見ながら、気持ちのよい尾根道を歩いた。これももう20年も前のことだが、奥さんと息子さんが探鳥を楽しんでおられたのを思い出す。姿の見えない鳥の鳴き声をから鳥の種類をあてるのだ。鳴き声にじっと聞きいる姿は何とも可愛らしかった。