まだ少し風が残っているが、北海道から帰ってきて、ようやく朝の散歩に行く気力が戻ってきた。風に吹かれながらも、コスモスは大輪の花を咲かせている。畑の手入れににも、少しづつ時間がとれるようになった。しばらく取らなかったオクラは、大きなナイフのようになっていた。モロヘイヤと赤いトマトが、そこそこ収穫できたので、野菜畑を作った甲斐がある。
喜寿なれや語り尽くさむ秋の雨 よしお
先日のクラス会に出席された恩師からのハガキが届く。筆でその日に詠んだ句が認められてあった。楽しい一夜の再開の余韻が甦ってくる句である。先生は、東北大学を卒業されて、最初に赴任されたのが、わが母校である深川西高であった。初めて立った教壇で、自己紹介がわりに歌を歌った。「妻を娶らば才長けて、見目麗しく情けある」と、学生仲間で歌った歌だと、述懐された。授業を切り上げて、運動場で野球をしたり、近くの山を散策することも稀ではなかった。先生と生徒という関係よりも、すぐ上の兄という雰囲気の、新任の先生であった。