
日がさして庭の雪が目の覚めるように白い。詩吟教室で朱熹の「勧学の文」という詩を教わった。いまその詩を味わってみると、朱熹という学者が勧学にこめた思いがいかに強いものであったか、思い知らされる。朱子学は儒教を上下の関係、支配と被支配者の固定という面を強調したものと否定的な認識にされることが多い。江戸幕府は、この面を強調して、その体制を正当化する思想的な側面があったことも否定できない。しかし、学ぶことの志は、いつの時も、どんな時代においても持ち続けなかればならない。
謂う勿れ今日学ばずして来日有りと
謂う勿れ今年学ばずして来年有りと
日月逝きぬ歳我と延びず
嗚呼老いたり是誰の愆ぞや
愆はあやまち。十分に学ばずにこの年を迎えていることに、唯取り返しのつかない後悔の念を覚える。朱熹の詩には、「少年老いやすく学成り難し」の詩もある。学ぶことのためには、一寸の光陰をも軽んじてはならないと説く。