常住坐臥

ブログを始めて10年。
老いと向き合って、皆さまと楽しむ記事を
書き続けます。タイトルも晴耕雨読改め常住坐臥。

八千代獅子

2018年01月09日 | 詩吟


昨日、山形岳風会の初吟会が、上山の古窯で行われた。例年であれば、10時開会であるが、今年は12時30分からに変更された。高齢化が進み、新庄や長井など遠方から、雪のなか早朝出発がきつい、という理由であった。私は今年10段段位を許されて、許証をうけることができた。詩吟の勉強もここまで来てあと何年できるか、考えざるを得ない段階になった。

初吟会は恒例の行事なので、特別新しい企画でもない。参加するメンバーが、年々少なくなり、いつも見かける顔が見えないと、何か淋しい気がする。懇親会に入る前、剣舞と琴と尺八の祝奏があった。剣舞は粟野電瞱先生の西郷南洲「天意を知れ」、筝の遠藤伶俊先生と尺八の武田白龍先生の合奏「八千代獅子」で新年を寿いだ。筝の初めと終わりに遠藤先生の地唄が入る。

いつまでも かわらぬ御代に 合竹の
代々は幾千代 八千代ふる

雪ぞかかれる 松のふた葉に
雪ぞかかれる 松のふた葉に

遠藤先生の謡いは、圧倒的な低音で、一語一語の余韻をひく日本の古謡である。演奏を終わった先生に、筝の合せる唄の名を聞きに行った。初めて聞く音曲であることを告げると、地唄であることを懇切に教えていただいた。歌の歌詞もすらすらと言われたが、聞き取り難かったので帰宅してユーチュウブ調べる。

平穏な御代を寿ぎ、雪と松の双葉が出てくる。雪は豊年の瑞兆とある。いつまで緑を保つ松と竹、いずれもおめでたいものである。尺八にメロディーには時おり獅子舞の節が聞き取れる。地唄を調べて見ると、文字通り「土地の唄」を意味し、筝や三味線の伴奏で、盲目の検校が京阪を中心に歌われたものということである。そのなかでも獅子物は、正月に目出たい初詣の境内で披露されたものらしい。越後獅子もこの系統にあるらしい。

こうして、宴会が始まったが、隣席の人たちや知り合いの人たちと盃を酌み交わす。ことしも一年、いい吟をめざして勉強していこうという気持ちにさせられた。
コメント
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