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新年を迎えて早や18日、週末には大寒に入る。月末の26日あたりから、冬の最低気温となることが多いらしい。しかし、そこをこえると節分、気が早いが春が確実に近づいている。その証拠は、日の出が早まり、日没が遅くなっていることだ。冬至に比べると、日没も日の出も30程の違いがある。日照時間が早くも1時間ほど増えている勘定だ。室内の鉢に目をやると。クンシランの花芽が出てきた。まだ色もなく、モヤシのような花芽だが、花まで10日も待たないであろう。
寒雲や太芽かざすは朴と橡 石田 波郷
歌人の島木赤彦は、大正13年の1月、長野県下諏訪にある自宅で絶唱となる歌を詠んだ。このとき赤彦は49歳、この2年後の大正15年3月27二日に胃がんのため世を去った。
湖の氷はとけてなほ寒し三日月の影波にうつろふ 赤彦
昭和23年の10月、この歌は下諏訪の冨士見公園に歌碑として建立された。歌碑の除幕式には、斎藤茂吉や土屋文明、岩波書店の岩波茂雄らが出席した。斎藤茂吉は、式典が終わると講演を行った。この公園は、赤彦の奉職していた小学校のすぐ近くにある。講演の冒頭茂吉は、
「アララギの同人にには、短命の人が多いと言われております。先ず、元祖といわれる、正岡子規が36歳で、2代目といわれた長塚節が、37歳で死んだ。それから、中村憲吉は46歳で、古泉千樫は46歳でなくなった。それから、師匠の伊藤左千夫は50歳で、親友の島木赤彦は51歳でこの世を去った。・・・その他の諸君は、いずれも、ひどいのは22,3、長いので36、7というのだから、おはなしにも、なにも、なったものではありません。」
と切り出し、話すときの癖である少し舌をだすしぐさで間をとった。