常住坐臥

ブログを始めて10年。
老いと向き合って、皆さまと楽しむ記事を
書き続けます。タイトルも晴耕雨読改め常住坐臥。

山伏岳から高松岳へ

2019年07月07日 | 登山

この時期、秋田の山と云えば、人を襲う熊が頭をよぎる。今年はブナが結実しない凶作の年で、今から越冬前の熊の被害が心配されている。今日登る高松岳は、秋田県でも南部に位置し、熊に襲撃された北部の鹿角や仙北とは離れている。担当のAさんの事前調査でも、この地区で熊の目撃情報はない、ということで安堵する。会で準備した熊への警報用のピストルを持参する。

この日、しばらく続いて梅雨のぐずついた気候が、久しぶりの好天の予報で、期待に胸を弾ませて山に向かった。国道13号線を北上、尾花沢を過ぎたあたりから、鳥海山が雲の上に頭を突き出している姿を目撃、山の天気が問題ないと、思いながら登山口へと向かう。自宅かた登山口まで凡そ160㌔、車の走行だけで3時間弱を要する。雄勝から秋の宮温泉へ向かい、途中から川原毛地獄の登山口へ向かう。

秋の宮かた川原毛へ向かう林道は、山形から蔵王温泉へ向かう道を思い起させる。しかも長い。くねくねした道を20分ほど走ると硫黄の匂いが込めている。道脇に直径2mもあるかと思われるパイプが斜面に沿って敷設されている。灌漑用水のためのものかと思ったが、後で聞くと河原毛地獄辺から出る温泉を、下の温泉街に流すためのものであるという。

山の天気は難しい。登り始めは、雲が出ていたが、山道で高度が上がるにつれて薄日がさして来る。緑が目を刺すように美しい。カラマツ林をぬけたところで、ブナをはじめとする広葉樹に陽が当たって、そのコントラストの美しさに、思わずカメラをだして撮影タイム。しかし、さらに高度を上げると、次第に濃い霧に包まれる。

やがて山道に高山植物の花が現れる。ここでは、早春と夏が同居している。早春のイワカガミが、登山道に宝石をまき散らしたように咲いているかと思えば、初夏のシャクナゲ、高松岳の頂上付近にはニッコウキスゲが美しい花を見せている。咲き残ったサラサドウタン、花を終えたコバイケイソウ。ゴゼンタチバナは今を盛りと咲き乱れている。

高松岳といえば、20年も前に誘われて会に入って2回目の山行で登った山だ。その後、泥湯の方からと、今回で3度目の訪問になる。しかし、以前のことは殆ど記憶になく、会のリーダーから登りの注意を受けたことだけが残っている。山歩きの苦しさは、障子ヶ岳の日帰り周遊ですでに味わっていたし、ここではそんな記憶もないので、比較的楽に歩けたのであろう。

20年経って、歩いた感じはやはり足に残る疲労感であろうか。山伏岳の頂上から、高松岳へ向かう登山道の下りは、きつく感じられた。この縦走路はマップタイムで1時間だが、高松岳の登りはきつく、1時間30分の時間を要した。本来快適なはずの尾根道は、風がつよく、霧で眺望も得られない。見えるはずの鳥海山、神室の連山、栗駒山など、すべてが霧のなかだ。咲き誇るニッコウキスゲを尻目に、着いた高松岳の頂上は、強風で長くとどまれず、記念撮影も中止して下山に向かう。

山伏岳の頂上9時20分、高松岳頂上11時20分、昼食避難小屋12時、引き返して山伏岳1時45分。登山口へ到着は3時17分。本日の参加者8名、内男性3名。体調を崩された方がいたが、全員無事に下山。帰路、秋の宮温泉の日帰り温泉で汗を流す。広い浴室、ジャグジー、露天、打たせ湯など温泉の種類も多い。ここは、三連泊1日5000円のキャンペーンを実施中であった。心地よい疲労感、


 

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