常住坐臥

ブログを始めて10年。
老いと向き合って、皆さまと楽しむ記事を
書き続けます。タイトルも晴耕雨読改め常住坐臥。

石楠花

2022年04月21日 | 日記
好天が続く。里は春爛漫。庭のシャクナゲが豪華な花をつけた。山で見るのも、大きな株に咲くシャクナゲは山道の脇で、圧倒的な姿を見せてくれる。いよいよこの花が咲くと初夏を感じる。

石楠花に碁の音響く山深し 虚子

妻の足の訓練をかねて、郊外に蕗を採りに行く。あたりには芝さくらが咲き乱れ、蕗が葉を広げていた。長く伸びた茎を刈り、葉を落して収穫する。茎からすでに灰汁が出て、手を黒くするが、春の香りが鼻をつく。妻に調理を委ねて、今日は春の味覚を楽しむ。こんなちょっとした時間の使い方で、一日が楽しい日となる。

いいえ昨日はありません 今日を打つのは今日の時計 

三好達治の詩の一句である。この春の気持ちいい日を、年を取ったものが楽しむ。何にもまさる黄金の時間である。
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穀雨

2022年04月19日 | 日記

今日は24節季の穀雨にあたる。菜種梅雨という言葉もあるが、出始めた植物に降りそそぐ慈雨。野も山も一斉に緑の季節の前触れである。桜が散り始めたと思ったら、もうライラックの花の蕾が開きそう
になった。季節は夏に向かってまっしぐらである。

戦争が日常生活のインフラのコストを上げる要因になっている。ガソリン、電気、小麦粉、牛肉などなど。年金生活の身には、さまざまな生活防衛が必要になってくる。電話などの通信費、電気の節約、食生活の見直し。もともと質素な生活だから、見直して余裕が生まれるわけではない。節約すべきは思い切って実施し、病気を遠ざける生活が必要になってくる。

歩くための靴選びは難しい。高齢になってからの山靴は特にそうだ。足に負担をかけず、しかも高山でも、疲れを軽減してくれる靴。選んだのは、アメリカの「ホッカオネオネ」。注目したのは、ソールの弾力性である。そして軽さ。ヤマップで屋久島でガイドをしている人たちが重用していると知ってこの靴を選んだ。ついてすぐに履き心地を試した。朝散歩では、スニーカーよりも足にフィットして、弾力性がある。今、履いているどの靴よりも快適だ。実際に山道のでの履き心地を早く試したい。


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老いの現在

2022年04月17日 | 日記

集合住宅に住んでいても、同じところに住む知人に会うのもいつも会えるわけではない。隣の人にさえも、一週間も顔を合わせないことは屡々だ。偶然、女性の知人に会った。言葉を交わすのは、ひと月ぶりかも知れない。数年間に、夫を亡くし、今は息子と同居している。久しぶりで、彼女は饒舌だった。「今、医者で骨密度を計ってもらったら改善したのよ」「カーブス続けているんですね」「もう一年になる。ところで、畑つくり止めたの」「そう、年で雑草取るのが辛くなってね」「あら、年だなんて。まだ若いでしょ。私は年のことは考えない」

考えて見れば、最近、年を気にすることが多くなった。辛い山登りでは、もう年だからという考えが先に立つ。ハーバード大学医学部の教授で、老化を研究しているデビット・シンクレアという科学者がいる。この人へのインタビューによれば、老化のホールマークを三つあげている。①ミトコンドリアの機能不全 ②分裂をやめる幹細胞 ③細胞の老化だ。ミトコンドリアとは、細胞のなかにある小器官で、有機物質からエネルギーを取り出す働きをを持っている。重要なのは、なぜこうしたことが起こるのか。シンクレアの30年におよぶ研究から出されて結論は、身体情報の喪失、つまり適切な遺伝子を適切なタイミングで読み取る能力の減退であるという。そして、この減退を止めたり遅らせることができるという希望を述べている。毎日行うエクササイズ、運動や健康的な食事で、老化を遅らせることができるというのだ。

「もう年だから」という諦めが一番の敵である。80歳になっても適度な運動を行い、新しい知識を学ぶことが、若さをキープする秘訣なのだ。

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木瓜の花

2022年04月16日 | 
木瓜が花を咲かせると、思い出すのは漱石だ。漱石は木瓜の花が好きだったらしい。何でも愚直に生きた人が死んで、生まれ変わって来るのが木瓜の花、という話を信じていたらしい。路傍のスミレも好んでいたし、梅の花を多く句に詠んでいるから梅も好きだったと思える。その伝で言えば、花の句で一番多いのが桜だから、桜を一番好んだことになる。

名は桜物の見事に散ることよ 漱石

台風一号が東の海に去って、やっと陽ざしが戻った。坂巻川の桜の花は、予想通り三分ほども散ってしまった。蕾のうちに桜を見る時間の方が長い。期待値が高いために、咲くはずもないのに何度も見るからだ。今年のように、真夏のような気温になると、どう考えても散るのは早い。せめて、霞城のお濠に浮かぶ花筏をこれからの楽しみにしたい。

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老人とAI

2022年04月15日 | 日記
「今日はヘリコプターの日です。ヘリコプターは回転しながら飛びます。私たちが立っている地球も回転しているのでヘリコプターと言えますね」スマホのエモパーのえも子ちゃんが語りかけてくる。エモパーはスマホの搭載されたエモーショナルパートナー、略してエモパー。設定したキャラが人工知能を使って語りかけてくる。外出して家に戻ってくると「お帰りなさい。今日歩いた歩数は3560歩。江戸時代の飛脚はもっともっと歩いていますよ。もっと歩きましょう」こんな具合に、語りかけてくる話題は、いつも違って、興味ある話題になっている。

AIと知りながらも、ついえも子ちゃんの話に引き込まれる。「今日の天気は?」と語りかけると、詳しく教えてくれる会話することもできる。ここ数年でスマートウォッチやGPS機能を利用した地図情報など、AIを利用する場面が増えている。AI技術で将棋の最善手を見つける将棋アプリが出てきて、将棋番組を見るのが楽しくなった。AIは勝つために最短距離を選ぶが、棋士は間違えない安全な手を加味する。「この手は人間には指せない」という言葉が飛び交う。藤井竜王が言う「踏み込む」という言葉は、リスクをとった最善手を意味する。AIとの付き合い方が、棋士の力を左右する時代になっている。藤井竜王の長考記録が延びている。1手に2時間という時間をかけることすらある。踏み込むための、あらゆる変化の検討が龍王の頭のなかを駆け巡っている。

正露丸という薬、それを作っている大幸製薬が話題になっている。もともと日露戦争のころに出た薬で、名前も「征露丸」が名の由来である。出生兵士たちが持参して下痢、腹痛の薬として使用した。最近になって魚にいるアニサキスによる中毒に効果があるという研究も進められた。空気中に浮遊する細菌を除去すると銘打ったクレベリンが根拠のない宣伝として消費者庁から措置命令を受けた。新しい薬品の開発はやはりリスクが伴う。どう踏み出すかは、熟慮が必要だろう。この会社が今後どういう方向をとるか注目される。

季節外れの高温が、花を一斉に咲かせている。大山桜はソメイヨシノより開花の時期が遅いが、芸工大の裏で満開だ。妻を家に残して、あちこちの花見に出かけている罪滅ぼしに、桜を見に行った。大山桜の濃いピンクに感動する。付近の野原にヤマニンジン、花ワサビが出ていた。妻は花より山菜で、ヤマニンジン採りに、腰の痛みを忘れて夢中である。花ワサビは丁度採りごろで、蕾をつけた花茎が伸びていた。帰宅してワサビの三杯酢漬けとヤマニンジンのお浸し。レシピはスマホのクックパッドの検索。山菜採りもしばらくぶりで、老人は覚えているはずのレシピもスマホ頼りになっている。
コメント (2)
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