ねことわたしのやわらかな日々

17年一緒に暮らした愛猫を亡くしましたが、日々のささやかな幸せを、
手のひらで温めて暮らしています。

暗闇での対話

2015年03月22日 18時49分00秒 | 出会い
体験と言えば、今日もひとつ。
グランフロント大阪でやっている、
ダイアログ・イン・ザ・ダーク」。
まったく何も見えない真っ暗闇の中で
視覚以外の感覚を研ぎ澄ませるという
ドイツで生まれた体験型エンターテイメント。

(グランフロント大阪ナレッジキャピタル)

JRが事故でダイヤが大幅に乱れ、
大阪駅を疾走する羽目になったけれど
ぎりぎり間に合って、無事合流。
暗闇の中には視覚障害を持つ方が
アテンダントとしてガイドして下さるけれど
真っ暗闇の中では立つのもおぼつかない。

上も下も、前も後ろも、右も左も
すべての位置感覚と視覚情報を失って、
一緒に体験する8人が「声」と「気配」と
「ぬくもり」だけの存在に変わる面白さ。
居合わせただけの見知らぬ人たちと
触れ合い、手を握り合ってやっと
暗闇で失いそうな自分の存在を確認できる。
お互いの声や、体温がなければ
闇に飲まれてしまいそうな心細さを味わって。

真っ暗闇の中で一緒に過ごした人たちとは
不思議な一体感というか親近感が生まれて。
真っ暗闇の中でお茶を飲んだり、字を書いたり、
お互いが一番大切と思うものを話し合ったり。
視覚を奪われると、心のバリアも解けやすいかも。

この暗闇での経験は、本当に大切なことは
目に見えないものの中にあることを
改めて思い出させてくれた気がして。
東京と大阪で開催中なので、
機会があれば、みなさまもぜひ。
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ハーモニーの中に

2013年03月06日 21時00分00秒 | 出会い
3月6日付けの朝日新聞に載っていた
小澤征爾さんのインタビュー記事の中の
幾つかの言葉がとても心に響きました。

「美しいハーモニーのなかに、
自分の声がとけこんでいる。
そう実感することに
人生の本質のようなものがあると僕は思う」

「ハーモニーやリズムやメロディーを
他人と作り出す快感が体にしみこんでる人は、
ただソロだけ弾いてきた人より、
間違いなく音楽家としての幅が大きくなる」



どちらも「音楽」という枠を超えた
普遍的なものがあるような気がして。
人と人との関係は、時に不協和音も生むけど
時に美しいハーモニーを奏でることがあって
そのよろこびを感じることこそが
人生の本質のひとつ、なのかもしれないな。

一流のオーケストラは、どんなソリストや
個性の強い指揮者や新しいメンバーを迎えても
必ず一流のハーモニーを紡ぎだす。
それはプロフェッショナリズムに加えて、
美しいハーモニーを生み出す可能性や喜びを
誰よりも知り、信じているからなのかも。

一流の生き方、というものがあるとすれば
人生におけるどんな出会いの中にも
美しいハーモニーの喜びを見出す生き方かも、
なんて思わせてくれる言葉でした。
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バンコクを去る朝に

2012年11月24日 09時03分00秒 | 出会い
6日間のバンコク滞在を終え
まもなく飛行機に乗るところ。
昨夜はこちらで知り合ったタイの友人が
自宅での夕食に招いてくれたから
いろいろ意気投合して話しこんでしまって、
寝たのが1時過ぎになってしまった。
それでも5時過ぎには起きねばならず
中途半端な睡眠時間は少々つらいけど
飛行機の中で寝ればいいから大丈夫。

日本を離れるたびに思うのは、
日本はどこか空気がやわらかい感じがする。
日本は、良い意味でも悪い意味でも
やはりどこか、大きな「村社会」。
たくましいというよりお互いに頼りあって
村社会の一員として暮らしている気がする。



バンコクはアジアとは言え国際都市で
さまざまな文化と民族が交差して
混沌としたハーモニーを醸していて。
人々はたくましく、街も有機的で
食べ物やごみの匂いが漂い、
コンクリートで囲まれた大都会なのに、
アンコールワットの熱帯の木々のように
人々の生活はたくましく根をおろしている。

ここにくるたびに私は自分が温室育ちの
苦労知らずの甘ったれだと気づかされる。
それなりに苦労はしてきたつもりでも
ここで出会った人たちの話を聞いていると
恥ずかしくなるくらいの苦労知らず。
それに気づけただけでも来た甲斐があるのかも。
こうした小さな気付きがわたし自身を
なにかほんの少し、変えてくれる気がします。
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災難という贈り物

2012年09月14日 22時56分00秒 | 出会い
この世に偶然なんてないというけれど
それを実感するようなことがありました。

仕事で何ヶ月もかけて仕上げたものが
サーバートラブルで全部消失という
信じがたい大災難に見舞われたのがつい先日。
言い訳ばかりのIT部門に殺意を覚え、
大陸間弾道ミサイルを発注しようかと思う程。

でもそれが結果的に、それまで手を尽くしても
どうにも動かなかったことの、突破口になって。



とても優秀で、技術も経験も熱意もあるのに
内部のこれまたつまらない事情で
それまで採用が認められなかった一人の若者を
このトラブルを理由に、迎え入れることが出来て。
長年の夢が叶った彼は、奇跡だと喜んでくれたけど、
Drupalの、Multi-siteのと全く訳の分からない
ITとのやりとりを全て引き受けてくれた彼は、
わたしたちにとっても、まさに奇跡の救世主。

デフコン(ハッカーコンクール)での入賞歴もあり
防衛関係や、サイバーモールの情報セキュリティにも
携わったことがあるような優秀な若者が
どうして、うちのような超零細事務所で
無給で働くことを夢見てくれたかは謎だけれど
事務所の近くに住んでいるのをいいことに
勤務日以外でも立ち寄ってもらって助けられてる。

結果的に「大災難」と思われたものは
彼とわたしたち、両方に奇跡をもたらすために
必要なことだったと今となって気づきました。
だとすれば、「大災難」も本当は災難ではなくて
神さまからの贈り物だったのかもしれないな。
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続・続・幸福の感度

2012年05月20日 18時59分00秒 | 出会い
今回のタイ出張で出会ったのは
これまでにないくらい、いろいろな国の人々。
欧米だけでなく、アフリカや中・南米、
アジアも、中央アジアや、中近東の国々。

ふと気がつくと、紛争や貧困があって
厳しい状況にある国の人たちほど
いつもにこにこ笑顔で陽気だったかも。
それぞれのお国の大変な状況を話す時には
一瞬影がさすものの、またすぐに温かな笑顔。
ディナークルーズでも音楽がかかれば
心から楽しそうに歌い、踊っていた。
彼らの中にいると、先進国組が
何だか仏頂面に見えてしまうくらい。



あれはお国柄、国民性なのかしら。
それとも日常に不条理や困難が多いから
僅かなことでも精一杯楽しもうとするのかしら。
彼らの「幸福の感度」はとても高くて
人生を楽しむ達人のように思えてしまって。
平和も経済的豊かさも享受しながら
幸福度の低い国に暮らす者の一人として
じんわり感動してしまう笑顔でした。
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