17年一緒に暮らした愛猫を亡くしましたが、日々のささやかな幸せを、
手のひらで温めて暮らしています。
先日、鈴鹿の森庭園に行ってきました。
今もオンラインでお世話になっている
奈良在住のフランス人の先生から
以前お勧めされていたしだれ梅の名所。
これまでしだれ梅といえば
京都の城南宮しか知らなかったけれど
しだれ梅を中心に200本の梅が並ぶ庭園は
桃源郷のような美しさでした。
凛とした普通の梅と違って、
しだれ梅はたおやかで優美で、
舞妓さんのような風情です。
爛漫の春を誇るように咲く桜もいいけど
まだ肌寒い季節に春の訪れを告げる梅も格別。
庭園内ではウグイスの初音も聞きました。
今年はずいぶん早いような・・・
梅やしだれ梅の風情を愛した日本人が
何世代にもわたって品集改良を重ねた結晶が
ここに並んでいる花々なのだなあと思うと
花もただの花じゃなくて
人々の愛情と熱意の積み重ねなのだと
ありがたいような気になるのでした。
今年は長引いた猛暑の影響か、
紅葉が今ひとつ色あせていたり
色づく前に枯れてしまっていたり
当たり年とは言えないんだけど
それでも虎渓山永保寺の紅葉は
なかなか見事な色づきでした。
夢窓疎石が開創したとされ、
2つのお堂は国宝に指定されており、
紅葉の名所としても有名とあって
週末には結構な数の観光客が訪れます。
臨済宗南禅寺派の専門道場も併設されていて、
今も雲水さんらが修行に励んでおられるとか。
そのせいなのか、入山料も取らないのに
庭もお堂も手入れが行き届き、清らかでした。
美しいお庭を見せて頂けることに感謝すると共に
次々と押し寄せる紅葉狩りの人々の賑やかさが
修行の妨げにならないことを願っています。
花菖蒲がきれいだというので
土岐市にある織部の里公園へ。
梅雨空の一日だったけど
こんなお天気が菖蒲には良く似あう。
奥の古民家風の建物では野点をしていて、
菖蒲の花のような美しい生菓子と
お抹茶をいただきました。
使われている茶器はどれも作家もので
1つ1つ全部違うのも楽しい。
このあたりには17世紀の登り窯の跡や、
そこから掘り出された古い陶器の展示もあって
まさに織部の里の名にふさわしい。
ろくろでシンメトリーに作られた器を
わざと歪ませ、そこに美を見出した、
当時の人々の感性は本当に面白いなあ。
まだまだこの地方には
私の知らない歴史や文化があふれているから
これから少しずつ学んでいけたらと思います。
暖かな陽気に誘われるように
せわしない引っ越し準備の合間を縫って
梅の花を見に行ってきました。
大阪城公園近くの藤田邸跡公園。
旧藤田財閥総帥の藤田男爵の邸宅跡の
一部が公園になったものなのだとか。
当時は53,000平米もの広大な大豪邸で
お茶室だけでも十数棟もあったというから驚き。
一般に公開されている日本庭園には
甘い香りの梅の花が満開でした。
明治時代の大豪商の邸宅というのは、
江戸時代の大名屋敷並みの規模だったんだなあ。
今は都会のオアシスとして、
多くの人の憩いの場になっていました。
7-8本あるだけのこじんまりした梅林だけど
それはそれで風情があって良かったかも。
大阪城公園の梅林もすぐ近くにあるけど
今年はこの梅だけでじゅうぶんに満足。
ここからは、日に日に春めくとともに
退職日や引越しの日が近づいてきて
やらなきゃいけないことが山積みだけど
ひとときの癒しとなった梅の香でした。
春になると、梅が咲き、桃が咲き、
沈丁花、水仙、桜が咲いて、
菜の花、雪柳、レンギョウ、チューリップ、
ハナミズキ、パンジー、芝桜、ネモフィラ、
藤、アヤメとノンストップで花々の競演。
今はバラがとてもきれいです。
年を取ると、体のあちこちに不具合が出てきたり、
ままならないことも増えてくるけれど
こうしてまたバラが見られたという幸せな記憶が
また一つ増えていくのは、やっぱり幸せなこと。
留まることのない季節の中では
衣替えやら何やら、慌ただしいけど
色とりどりに咲き誇るバラを見ると
つい足を止め、時を忘れてしまうのでした。