ねことわたしのやわらかな日々

17年一緒に暮らした愛猫を亡くしましたが、日々のささやかな幸せを、
手のひらで温めて暮らしています。

歌に私は泣くだらう

2021年05月31日 19時48分00秒 | 生活
先日、京大名誉教授永田和弘さんの
オンラインの講座を受けました。
永田氏は細胞生物学者であり歌人。
同じ歌人の奥様は乳癌で他界。
その二人が大学時代に出会ってから
死別するまでの四十年を
二人の短歌で綴る1時間半でした。



河野裕子さんの晩年の歌。
「長生きして欲しいと 誰彼数えつつ
つひには あなたひとりを数ふ」。
「手をのべて あなたとあなたに触れたきに
息が足りない この世の息が」。

その河野さんを支え続けた永田氏の歌。
「歌は遺(のこ)り歌に私は泣くだらう
いつか来る日のいつかを怖る」。
「最後まで決してきみをはなれない
早くおねむり 薬の効くうちに」。

三十一文字からあふれるような
「愛」という言葉では尽くせぬもの。
永田氏の本は何冊も読み、
ドキュメンタリーも見ていて、
すべて知っている話だったのに、
それでもご本人の口から語られると
改めてしみじみと心に沁みました。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする