この三連休には美濃焼祭が開催されました。
街のあちこちが会場になっているのだけど
駅の通路には巨匠の作品がずらりと展示。
人間国宝をはじめ、名だたる名作陶家の作品を
アクリル越しにだけど拝見することが出来ます。
改札出たところの正面では
雅なお琴の演奏が響いていました。
お祭りに合わせて幸兵衛窯でも
秋のいろどり市が催されていました。
これは七代目加藤幸兵衛さんや
八代目加藤亮太郎さんの作品展。
そしてお楽しみは蔵出し市。
いつもよりお得な価格になった、
素敵な器やオーナメントが並びます。
普段作陶をしている職人さんたちも
この日ばかりは店頭でお手伝いされているので
ひとつひとつの器の特徴や工夫、
苦労話なども聞けてそれだけでも楽しい。
人間国宝の六代目加藤卓夫さんが生み出した、
幸兵衛窯特有のこのペルシャンブルーを出すには
4ー5回釉薬をつける必要があるのだとか。
それだけ手間と時間をかけても
製品になるのはごく一部なのだそう。
幸兵衛窯の作品を使ったお手前も頂けるとあって
これは見逃せないとばかりに行ってきました。
上の写真にあるのが、風炉とお水差し。
床の間のペルシャ風の飾り物は
確か六代目か七代目の作品。
両脇に写っているのが八代目の作品で、
私たちがお茶を頂いたもの。
真ん中は特別に見せて頂いた七代目の作品で
高台のついたワイングラスのような器を
茶器として使う趣向がとても斬新。
でもどうやって持つのがいいのかしらと
同席した方と笑って話がはずみました。
また今回は八代目が穴窯から作品を取り出すところも
拝見することが出来ました。
防熱のために忍びのような姿をした八代目が
窯から1つ1つ白く燃えさかる茶器を取り出すと、
瞬く間に赤くなり、やがて黒に変化していきます。
その時表面に入る貫入が立てる貫入音は
ちりんちりんと、繊細でかすかな響きで
生まれたての器たちが奏でる音楽のよう。
これを聴けただけでも来た甲斐がありました。
それで今回買ってしまったのが
青釉の美しさに魅せられたこちらの3点。
中央は古代エジプトで崇拝された、
猫の姿をした女神バステトで、
月と豊穣の神であると同時に
人間を病気や悪霊から守護する女神なのだとか。
凛とした中にも愛らしさがあって
前回伺ったときから欲しかったもの。
朝晩眺めては幸せを感じています。