弓張り月

ここ数日、朝晩はすっかり秋めいて、
今も窓からは、涼しげな秋の虫の音。
いつの間にか季節は夏の終わりから初秋へ。
今夜は月影もさやかな、弓張り月。



昨日も職場のビルから出た瞬間、
夕暮れの空の、何とも表現のしようのない美しさに、
一緒に出てきた同僚と、思わず立ち止まって感嘆の声。
青とも、紫とも、赤とも、朱色ともつかぬ、
それは見事で、崇高なまでの色彩の饗宴。
夏が去っていったことを感じさせる色でした。
カメラを持ってなかったことが、本当に残念で。

時間に追われて、せわしない毎日だけど、
わたしの心は、わずかな時の合間を縫って
空へ、木々へ、道端へ、水辺へ、
夏の名残や秋の気配を探して、漂いがち。
それがわたしには楽しくて仕方ないけれど、
ぼんやりしていて転ばないように、気をつけなくちゃ。