やっと満開になったソメイヨシノが
昨夜の風雨で早くも散り始めました。
せっかく満開になったばかりなのに
花の生命は何とはかないこと。
<遠目にはまだまだきれいな桜並木>
「古きものが、常に新しきものと入れかわり・・・
この天地の間を動いてゆく。
この身が震えるほどの変転の中にあって
人の為せることというのは、
いかほどのものであろうか。
哀しいほどに、人の為す技は無力ではないか。」
「桜を眺めていると、
その人の技のはかなさが思われて、
人というものの可憐さに、
おれはしみじみとしてならぬのさ。」
<道端に散る花びらの中で咲くたんぽぽ>
「だからおれは・・・桜を見ていると、
人というものが愛しくなって
涙がこぼれそうになってしまうのさ。
おれは、人でよかったと、
こうしておまえと酒を飲みながら
桜の葉が風に触れるのを眺めていると、
そのように思うてしまうのだよ・・・」
<風が吹くたびに舞う桜ふぶきも美しい>
夢枕獏の「陰陽師」の中で
源博雅が安倍晴明に語る言葉。
この季節にはいっそう胸に響く。
生きとし生けるもののはかなさと、
それゆえの愛おしさを胸に抱いて
生きてゆきたいと思うのでした。
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