ネコのミモロのJAPAN TRAVEL (Mimoro the cat:JAPAN TRAVEL)

「京都観光おもてなし大使」のライターとネコのミモロが、京都の情報や暮らし、グルメなどをご紹介。心和む雑誌のようなブログ

節分の2日間しか手に入らない、ご利益も特別。京都の「須賀神社」良縁祈願の「懸想文(けそうぶみ)」。

2012-02-03 | パワースポット

雪がチラつき、冷たい風がビュービュー吹く京の町。2月2日、3日は、市内の神社やお寺では、節分祭が至る所で行われます。
「節分のお祭りが、こんなにいろいろなところであるとは、思わなかった…」という東京生まれのミモロ。

確かに、東京の節分は、大きなお寺や神社で、豆まきが行われますが、絶対的な数は、京都に比べ少な目。

「わー節分のお祭りが多すぎて、どこに行ったらいいかわからないよー」と、新聞の告知を見ながら悩みます。

節分で有名なのは、吉田神社、壬生寺、廬山寺をはじめ、平安神宮、八坂神社、伏見稲荷などなど、多くの場所で、同じ時間帯に、豆まきや鬼が登場するお祓いが行われたり、狂言、舞妓さんの踊りなど、その内容も、多彩で、どれも見てみたいものばかり。でも、とても全部見ることは不可能です。

そこで、今年は、近所から見て回ることに。
まず、訪れたのは、聖護院近くにある「須賀神社」です。

鳥居のそばには、節分祭と染め抜いた赤い旗が風にはためいています。

境内に入ろうとしたとき、「あれ、なんか怪しい人がいる…」と、ミモロはちょっと後ずさり。
烏帽子に黄色の水干(すいかん)姿で、顔に布を巻いて見えるのは、目だけ…。

肩には、梅の枝をかつぎ、ゆらりゆらりと境内を歩いています。

この人は、「懸想文売り(けそうぶみうり)」。
江戸時代に始まった京都の正月初めの風俗行事です。京都の町を、この「懸想文売り」が、梅の小枝にお札を付けて売り歩き、未婚の女性たちは、これを求めることで、良縁に恵まれるというあらたかなもの。
明治維新のころに、姿を消し、今、この姿が見られるのは、「須賀神社」で節分の2日間だけ。期間限定の縁結びの風習。そのご利益も期待できます。


「懸想文売り」が手に持っているのが、懸想文。
良縁に恵まれると聞き、さっき怖がっていたのも忘れ、ミモロもひとつ求めます。

「これ、どうしたらいいんですか?どこかにお祀りするの?」と聞くと、

「この『懸想文』は、誰にも見られないようにしながら、鏡台やタンスの引き出しに入れておくと、顔、かたちが美しくなり、着物が増え、良縁に恵まれますよ」と。

梅の枝には、その説明の札が下がっていました。

「わーステキ!良縁だけじゃなくて、キレイになっちゃうんだぁー。それに着物が増えるというのは、お金持ちになるってことでしょ!なんかすごくご利益がありそう」と、大切そうに『懸想文』を抱えます。

*因みに、家に戻ったミモロは、『懸想文』を開けてみると、結ばれた紙が入っていました。そしてその紙を広げると、「須賀神社」と「懸想文」の由来などが。「懸想文」は、1つ1000円です。

(もちろん中を見た後は、元の姿に戻し、ミモロは、どこかに『懸想文』を隠したよう…ちょっと姿が見えない時がありましたから…)

さて、「須賀神社」の本殿で深々と頭を下げてお参りを。

そもそも「須賀神社」の創建は、平安時代末期。鳥羽上皇の中宮、美福門院得子(びふくもんいんとくこ)が建てた歓喜光院の鎮守社が、その始まり。ご祭神は、素戔嗚尊と櫛稲田比賣命。
縁結びの御利益が評判の神様です。

また、同じ社には、八街比古神をご祭神に祀る「交通神社」も。京都では、旅行の安全を守り、車の安全を守る神社として知られています。


旅の多いミモロ。「お札をいただいとこ…」と。

どのお札にしようかとミモロが迷っていると、「車に付けるなら、こちら…。この小さなお札は、身に付けてくださいね…」と、親切に説明してくださいました。

札所の一角には、破魔矢も。「カワイイお獅子がついてるよ」

この時期、境内には、訪れる参拝者のために、緋毛氈のお休み処が設置されています。
そこでは、節分の2日間限定発売される「須賀多餅」とお茶が味わえます。

梅と柚風味の2種類のお餅。「両方とも、すごく柔らかいーほんのり甘くて美味しいね」と2つともペロリ。

その日のお茶は、節分にちなんで、お豆が入った「福茶」で、ほんのり塩味が、口の甘さをスッキリと。

京都らしい、節分のお茶です。

「こういうおもてなしって、いいね!でも、次に行かなくちゃ…節分って見るところが多くて忙しいねぇー」と、また雪のちらつく中を歩きだしたミモロです。

さて、次は、どこに行くの?

*「須賀神社・交通神社」京都市左京区聖護院円頓美町1 電話075-771-1178 9:00~17:00 交通/市バス「熊野神社前」下車徒歩5分

*こぼれ話:正直、節分がこれほど盛んな行事だとは知りませんでした。占いなどでは、節分で年が変わります。つまり、節分は、1年の締めくくり。大晦日みたいなものなんです。京都では、本当に、あちこちで節分の行事が行われ、見て回るのに忙しい2日間です。京都に暮らして、初めて節分というものを、いかに日本人が大切にしてきたことがわかりました。でも、本当に寒い!見て回るのが大変です。

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