もうすぐ3月…ミモロのところに、一通のお手紙とチラシが届きました。
それは、2月25日~3月31日に、北野天満宮の近くの「平野の家 わざ永々棟」で開催されるお雛様にまつわる特別展「桃花の節ーひいな遊びー」のお知らせです。
「そういえば、昨年秋に、お姫様の婚礼調度のお話を聞きに、そこに行ったんだった…」とミモロ。
「お雛様のお道具って、昔のお姫様の婚礼調度なんでしょ…」と。
では、本日は、お雛様のお道具を見る前に、「江戸時代、婚礼調度がかたるもの」の講座のようすをふりかえりお伝えします。
ミモロが訪れた「平野の家 わざ永々棟」のお座敷には、立派な婚礼調度が飾られていました。
「さすがお姫様の婚礼のお支度は、豪華だねぇー」と、ただただ見惚れるミモロです。
展示された婚礼調度は、高津古文化会館が所蔵する、将軍家と関わりがある牧野家調度で、三つ葉葵紋が付いた「黒漆紗綾形花丸紋蒔絵」というもの。
今回の文化講座にも、多数の参加者が。
お話くださるのは、高津古文化会館の学芸部長 雨宮六途子先生。初心者にもわかりやすく、しかも興味深い内容と心地よい語り口で、聞く人の関心をいっそう高めてくださいます。
先生のお話によると…
婚礼調度の内容は、厨子棚、黒棚、書棚を中心に、化粧道具、文房具、手水道具、遊戯具、飲食器、運搬具、衣装類、屏風類など。すべて家紋を入れた同一の意匠の蒔絵で揃えられたそう。将軍家に関わるものだけに、まさに当時の工芸技術の最高峰の作品です。
江戸時代初期から前期で、すでに婚礼調度の主な品目は、整えられ、その後、品目や種類は、格式と財力に応じて、拡大されていったそうです。
江戸幕府の体制の強化を目的に、将軍家と各大名の間で、その関係を強固なものにするために、婚姻関係が次々に結ばれてゆきます。
つまり、華やかで、豪華な婚礼調度を持ってゆくお姫様たちは、みんな政略結婚。
「大名の婚礼調度は、幕藩体制が網の目のように張り巡らされていく、その上に咲き誇った華麗な花」と雨宮先生。
「幼い頃に、すでに婚姻が決まり、親元を離れて、見知らぬ土地にお嫁に行くんだって…。なんか可哀想。きっと心細くて、寂しかったよねぇー」とミモロ。華麗な花の影には、きっと姫たちの涙もあったことでしょう。
講座では、将軍家の婚礼にまつわるさまざまなエピソードなども紹介され、参加者は皆、お話に引きこまれてゆきます。
「では、実際にお道具の一部を手にとってよくご覧ください」と先生。
ミモロの前には、化粧道具のブラシが。
象牙に金の装飾が施されたブラシは、まさに芸術品。それを包む紙も豪華で、葵の御紋入り。
お化粧に使うフェースブラシも見事です。
「どう?気持ちいい?」とミモロは、なんと実際に顔で試します。
「フーすごく柔らかい毛で、お肌にやさしい感触。なんかお姫様になった気分…」とミモロはうっとり。
毎回、この講座で感激するのは、美術館や博物館に展示されているような貴重な品々を、実際に手にして、体験できること。さすが京都の文化講座は、スゴイと思ってしまいます。
「お雛様の特別展にも、絶対に行かなくちゃ!」と、特別展の開催を楽しみにするミモロです。
*「平野の家 わざ永々棟」京都市北区北野東紅梅町11 電話075-462-0014
年間を通じ、さまざまな文化講座や特別展が開催されます。詳しくはホームページをご覧ください。
2月25日~3月31日 春季特別展「桃花の節ーひいな遊びー」10:00~17:00 入館は16:30までに 月曜休館
入館料1000円 茶菓子付2000円
3月24日 16:00~18:00 「ひなさまの話」高津古文化会館 学芸部長 雨宮六途子先生の講座が開催されます。2000円(茶菓子、入館料込) 参加希望者は、電話またはFAX075-462-0114で申し込んでください。(先着30名)
見応えのある特別展。京都の旅行におすすめの企画展です。
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