ネコのミモロのJAPAN TRAVEL (Mimoro the cat:JAPAN TRAVEL)

「京都観光おもてなし大使」のライターとネコのミモロが、京都の情報や暮らし、グルメなどをご紹介。心和む雑誌のようなブログ

「上御霊神社」。平安遷都に伴い創建された歴史ある神社。「こころしずめ」のお守りも評判。

2013-04-21 | 寺社仏閣

写真展を目前に控え、その準備で、バタバタとしているミモロ。
「心を落ち着かせて、ラストスパートしなくっちゃー」と・・・・。

そんなミモロを見て、お友達が「心を鎮めるお守りがあるよ」と教えてくれました。
緊張するような場面には、一度心を鎮めることが大切。ミモロは、さっそく、そのお守りがあるという神社へ。

そこは、上京区の相国寺の北側にある「御霊神社」。大きな木が茂る境内には、静寂の時が流れています。


鳥居には、菊のご紋章。
ここが、天皇家ゆかりの神社であることを物語ります。

鳥居をくぐり、境内へ。

「なんか厳かな雰囲気の神社だねー」と。

鳥居の先には、りっぱな門が。
伏見城にあった門の移築と伝えられています。

「中に、だれかいるよー」と覗き込むミモロです。

門の両脇には、神社をお守りする武人の像が…。


門をくぐり、境内へと進みます。
広々とした境内には、人影もまばら…。

今は、桜も終わり、境内には、白いシャガの花が清楚な姿を見せています。


「あ、ここにも菊の紋がついてるー」お神輿を納める場所でしょうか、蔵のような建物にも、菊の紋。



さて、ここのご祭神は、早良親王(さわらしんのう)。京都を作った桓武天皇の弟に当たる方。そして、桓武天皇のお父さんの光仁天皇の皇后の井上大皇后、そしてその息子の他戸親王(おさべしんのう)、さらに桓武天皇の夫人の藤原吉子(ふじわらのよしこ)、空海、嵯峨天皇と共に三筆に称される橘逸勢(たちばなのはやなり)、平安時代の官人である文室宮田麻呂(ふんやのみやたまろ)などをはじめとする8柱が祀られています。

そもそもこの神社の創建は、延暦13年(794)に、早良親王(崇道天皇)を祀ったのが始まりとされます。
延暦13年といえば、桓武天皇が平安京に遷都した年。その10年前に、都は、奈良の平城京から、長岡京に遷都したばかりです。


ご祭神は、天皇家ゆかりの方々、だから菊のご紋章が。

そして、ご祭神の8柱に共通しているのは、陰謀や謀反の疑いにより、非業の死を遂げた方々だということです。

早良親王は、長岡京に遷都して間もない頃起こった、「藤原種継暗殺事件」で、廃嫡され、幽閉された後、無罪を訴え、断食し、憤死することに。それから、長岡京では、天皇家の人々の度重なる病死、疫病の流行、洪水などが続き、それらは、早良親王の崇りと畏れられ、10年そこそこで、平安京に遷都する一因になったとか…。

憤死した早良親王の御霊を鎮めるために、平安遷都して、すぐにここにご祭神としてお祀りすることに。


「よっぽど、すごい崇りだったんだねー」とミモロ。

井上大皇后も、夫である光仁天皇を呪詛した疑いで、、皇后の座から追い出され、皇太子だった息子の他戸親王と共に、幽閉され、そこで、2人揃って同じ日に亡くなっています。そして次に皇太子になったのが、後の桓武天皇です。


「昔は、韓国宮廷ドラマみたいなことが、実際、日本でも起きてたんだー」
陰謀と策略などが渦巻く世界があったのです。

平安時代、人々を脅かすような天災や疫病などが起こると、恨みをもって非業の死を遂げた人の怨霊の仕業と恐れおののきます。そこで、これを鎮めて「御霊」としてお祀りして、崇りを逃れ、平穏と繁栄を取り戻そうとする御霊信仰が広がります。

この神社は、その御霊信仰の発祥の地とも言える神社で、やはり悲劇にみまわれた菅原道真や崇徳天皇が登場するのは、それからかなり後のことです。

ちなみに寺町にも同じ祭神をお祀りする「下御霊神社」があり、それに対応してここは「上御霊神社」と呼ばれます。

「どおりで、なんか他の神社とは違う雰囲気…。神様になられて、みんなを守ってくれているんだねー」


ミモロは、さっそく本殿へ参拝…

「どうぞミモロをお守りください…」と。

さて、ここ「上御霊神社」では、5月1日の御霊祭の神幸祭が始まり、18日の還幸祭まで、さまざまな神事や行事が行われます。

毎年、後陽成天皇、後水尾天皇から寄進されたものから作った、金色のりっぱな神輿が氏子の住む町内をめぐります。下御霊神社の大祭もほぼ同じ時期に…。さらに「葵祭」も始まります。

「5月って、お祭り多いんだよねー。写真展が済んだら、お祭りに行かなくちゃー」

京都の三大祭りと言われる「葵祭」「祇園祭」「時代祭」。それ以外にも、実に京都には、素晴らしい祭りがいろいろあります。ぜひ、葵祭の時期に京都を訪れたら、この「御霊祭」にも足を伸ばしてください。勇ましい神輿の巡行など、見どころも豊富。京の祭りの奥深さを感じさせる祭りのひとつです。

さぁ、参拝も終わり…社務所へ。

「これがこころしずめ守り?」お祝詞付のお守りで、心乱れたらお祝詞で、平常心へ…。

「お詣りしたら、なんか心が落ち着いた感じー。さぁ、写真展の準備がんばらないとー」と、このところ、緊張気味だったミモロの顔つきも、少しは穏やかになったようです。

さぁ、もうひと頑張り…。

*「御霊神社」京都市上京区御霊前通烏丸東入ル 電話075-441-2260 境内には、7:00~日没に自由に入れます。交通/地下鉄烏丸線鞍馬口駅から徒歩3分。相国寺の北側に。


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コメント (4)
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