今年も、いよいよ祇園祭の主役、八坂神社の神輿が、人々の前に姿を現しました。

10日は、台風8号の京都への接近が懸念されていましたが、「京都は、天災が避けるんや~」という京都の人たちの言葉通り、台風は、京都にやってくることなく、太平洋側を北上しました。
八坂神社から、男衆に担がれた神輿が、四条大橋にやってきたころは、空には月も…。

ホイットーホイットーという独特の掛け声で、激しく揺すぶられる神輿。「わーカッコイイ…」と、ミモロは、手拍子しながら、神輿をみています。

四条通に飾られていた祇園祭の提灯や幕は、すべて外されていました。「なんかいつもと違う…」とミモロが、思った通り、7月1日には飾られていた、祇園祭の提灯などの飾りが、10日には見当たりません。そして、台風が去った11日には、ふたたび幕などが取り付けられました。「今年は、手間がかかったね~」
四条大橋に到着した神輿は、あらかじめ汲んでおいた、鴨川の水を、振り掛けて、お清めをします。
神輿洗いに登場するのは、八坂神社の3つの神輿のうちのひとつで、金具飾りや屋根の鳳凰を外した「裸神輿」の状態です。

橋の上での神事を終えた神輿は、再び八坂神社へと戻ります。
神輿の後ろには、松明が続きます。「この燃えカス、家内安全のお守りになるんだって…」


松明の後には、消防局の職員でしょうか、水のタンクを背負った人が、こぼれ落ちる燃えカスに、水をかけて、消火しています。京都は、火を使う祭りも多く、残り火などの消火へも気を使っているのです。
神輿は、八坂神社の西門、通称「石段下」へ戻りました。


祇園祭は、山鉾巡行の祭りと思われがちですが、祭りの主役は、神輿です。その神輿が、町をめぐるために、その道を清めるのが、山鉾の役割なのです。外部からすると、祇園祭は、八坂神社の氏子町と、山鉾巡行を行う、室町や新町などの山鉾町の2つが、協力して行っているように見えます。
また、京都の町全体が、祇園祭で盛り上がっているかといえば、そうではなく、他の町内は、関係ない…とクールな姿勢を保ちます。ほかのご町内の人たちは、「祇園祭は、子供のころ行ったけど、すごく混雑するから行かない…」という人が大部分です。
さて、神輿は、八坂神社の正面にあたる、南門から、境内に入ります。その前に、門前でしばし休憩。


門前脇にある老舗の料理店「中村楼」には、冷たい水が用意され、担ぎ手に振る舞われます。
「ミモロちゃんもどうぞ…」と、お水を用意した「中村楼」のみなさん。多くの人が、陰で祭りを支えます。


「このお水美味しいんだよね…」みんなが飲んだ後、ミモロもいっぱいご相伴。
ところで、3基ある大きな神輿は、それぞれ担ぎ手の組が決まっています。素戔嗚尊の中御座は、「三若」、その奥様の櫛稲田姫命の東御座は「四若」、そして素戔嗚尊の8人の子神の西御座は、「錦神輿会」が、それぞれ担ぐのが決まりです。
「でも~?」と、ミモロは、首をかしげます。
神輿洗いの時は、中御座の神輿の下に、「東御座」と書かれた「四若」の轅が…。
「あれ~いつも担ぐ組と違うんだ~」ということに気付いたミモロ。なかなか祇園祭に詳しくなってきました。
そう「神輿洗い」の神事全体は、「四若」が担当しているため、この神事に限り、「中御座」を「四若」が担ぐのです。
祇園祭には、見物人が知らない、さまざまな決まりがいっぱい。それを守り続けることで、祭りが、時代を経ても続いているのです。
さぁ、神輿が境内に入ります。


「わー盛り上がってる…」境内は、熱気に包まれ、見物人からも「うぉー」という感激する声を漏れます。
「わーお祭りだ~お祭りだ~」ミモロは、祭りが大好き。東京にいたときは、全く関心を抱いていなかったミモロ。京都に暮らし始めて、まさに祭りフリークに変身。それだけ、祭りが、生活の身近にあるということかも…。
神輿洗いを終えた「中御座」の神輿は、拝殿の中央に納まります。

「いよいよ祇園祭の実感が、湧いてきた~」と、7月は、祇園祭で、気もそぞろのミモロです。
見事な金具飾りを施した大きな神輿たちは、17日の夕方まで、八坂神社の拝殿で、拝むことができます。
まさに動く伝統工芸。その豪華さは、さすが京都と思わせる姿です。

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