「わーいよいよ『大船鉾』が町に出る日だね~」と、朝からソワソワしているミモロ。8時ごろ、鉾が建つ新町通へと向かいました。すでに、鉾は、出発準備完了。鉾の周囲には、巡行に同行する人や見物人でにぎわっています。



見物人の中に、お友達の姿も…「いよいよね~ミモロちゃん…」「うん、ドキドキしちゃう、ちゃんと辻回しできるかな~」とミモロは、少し心配のよう…。




ついに『大船鉾』が、動き始めました。150年ぶりの新たな船出です。もちろん、ここまで至る苦労は、並大抵ではありません。四条町の人たちの長年の思いが、ついに実現を迎えた記念すべき日。「この日に立ち会えるって、しあわせ…しかも、ボランティアでお手伝いもできたんだもの~」と、ミモロの思いも熱いものが…。



船出する『大船鉾』に、周囲から拍手が沸き起こります。「おめでとう!」という歓声も…。
その中を、鉾は、堂々と…そして同行する人たちは、胸をはり誇らしげに、新町通を北へと進んでゆきました。
ミモロは、鉾に先回りして御池通で待つことに…。
「北観音山」、「南観音山」が、次々に御池通に入ってきては、辻回しをして、京都市役所方向へ進みます。
さすがベテランの山・・・辻回しもスムーズです。この2つの大きな山にとっても、実は、正面から大通りに出るのは、久しぶりのこと。以前は、四条通で列をつくるために、後ろ向きで進んでいたのです。
「あ、やっと『大船鉾』がやってきた~」

「辻回し大丈夫かなぁ~」、ミモロだけでなく多くの人が心配する初めての大舞台での辻回し。
鉾の上には、「四条町大船鉾保存会」の松居理事長。通りからは「祇園祭山鉾連動会」の吉田理事長も、心配そうに見上げます。



皆が見守る中、「大船鉾」は、無事に辻回しを終了。沿道から拍手喝采。



見守る関係者にも笑みがこぼれました。
さて、無事に最初の辻回しを終えた「大船鉾」は、一路、御池通を東へ。「大船鉾」は、後祭に参加する山鉾の最後尾を進みます。
ミモロは、次は、河原町通へ。昨年も山鉾巡行を見物させてもらった「きねや」さんの2階へ。
「ここから、鉾に手を振るんだ~」と「大船鉾」に乗っている、顔見知りの方を応援するつもりです。
2階からは、次々に目の前を山が通り過ぎてゆきます。








後祭の山鉾巡行の先頭は「橋弁慶山」、続いて「北観音山」、「八幡山」(写真なし)、「浄妙山」「鈴鹿山」「南観音山」「鯉山」「役行者山」「黒主山」と、9基の山が進みます。
先祭といっしょの時は、見物人が、後祭の山が来るころには、暑さのためなどで立ち去る人が多かったそう。でも、今回は、この山を見るために、大勢の人が沿道を埋めています。「昨年より、みんな張り切ってるみたい…」とミモロは感じました。
大きな山では、屋根に乗る人が、ミモロに気づいて、手を振ってくれました。「大船鉾」も手を振ってくれるでしょうか…。
「なんかちっとも『大船鉾』来ないね~」。順調にミモロの前を通り過ぎるほかの山。2つの大きな山も、四条河原町の辻回しを終えて、もう河原町通に、姿ありません。「どうかしちゃったのかな?」と心配になるミモロ。ずいぶん、前との間隔があいてしまったよう…。でも、沿道の人たちは、150年ぶりに復活した『大船鉾』の姿を一目見ようと、だれも立ち去る人はいません。「あ、やっと来た~もう心配しちゃった…」



「あ、ご神体の神功皇后さまのお姿…」なんと鉾の中央部に、白い衣をまとった神功皇后さまのお姿が…。
「なんかラッシュアワーの電車に乗っているみたい…。それに周りはみんな男性ばかりだし…。きっと汗臭いよね~」と。
でも、涼やかな表情の皇后さま…。久しぶりの京の町の景色を楽しまれていらっしゃるよう…。さぞやうれしいことでしょう。思わず、手を合わせるミモロでした。
八坂神社の3つの神輿が鎮座する、河原町の御旅所の前で、神事が行われたのち、「大船鉾」は、四条町の会所目指して猛ダッシュ。

「わーもう到着してるんだ…」

ここでの人々の注目は、鉾が、船頭から通りに入るか、出発した時の体制を守るため、船尾から入るかでした。
鉾は、みんなの期待に添うように、堂々と舳から、会所に戻ってきたのです。


無事、山鉾巡行を終えた関係者…その顔には、町衆としての誇りとうれしさがあふれます。






「オシッコがまんできた~」と囃子方の子供たち…。思い切り水分補給をしています。
「ミモロちゃん、河原町の2階にいたでしょ!」と、鉾に乗っていた方から、声をかけられたミモロ。「わ~見てくれたんだ…うん、ミモロ、一生懸命応援してたの…」。いたことをわかってくれただけで、すごくうれしいミモロでした。
注目度の高かった鉾だけに、巡行後のマスコミ取材もいっぱい。
松居理事長の周りに座って、まさに囲み取材です。

鉾は、会所に着くや否や、解体が始まります。「なんか身ぐるみはがれる感じ…」ミモロが見ている間に、次々に幕や装備品が取り外されます。「あ、神功皇后さまの御人形も運び出された…」白い布で、包まれて、抱きかかえられるように会所の中へ。

30分ほどで、木組みだけの姿に…。

これほど急いで解体するのには、訳が…、実は、新町通は、還幸祭の神輿の通り道に当たります。そのため、神輿の巡行前に、通りを明け渡す必要があるのです。
さっきまで、鉾に乗っていた囃子方の人たちも、着替えて、休む間もなく、解体作業に加わります。
昨日から、ほとんど寝ていないという人が多いそう…。「きっとお祝のお酒飲んだら、みんなすぐ寝ちゃうかもね…」
念願を叶えた美酒に酔う…きっと素敵な夢が見られることでしょう…。皆様、お疲れ様でした…。ありがとうございました。

人気ブログランキングへ
ブログを見たら、金魚をクリックしてね。ミモロよりお願いで~す。