いよいよ宵山が迫る祇園祭。夜は、四条通など、山鉾が建つ通りは、歩行者天国になりました。



ミモロは、お友達がいる「放下鉾」を見学に行くことに。「放下鉾」は、真木(まき、鉾の高い柱)の中ほどに放下僧という鎌倉時代に手品や曲芸を見せたお坊さんの人形が、真木柱の先端付近に祀られます。
「あ、鉾のマーク、なんかミッキーマウスが逆立ちしてるみたい…」とミモロ。このマークは、ミッキーマウスではなく、日、月、星の3つを表したものだそう。

鉾は、その町内の会所の脇に建てられます。祇園祭では、山鉾を見物するだけでなく、会所の中に飾られた装備品など、歴史ある品々を拝見するのも楽しみのひとつです。
まず、拝見したのは、美しい刺繍が一面に施された布。

「これは、天井に飾るもの。美しい絵天井の模様をアレンジしているんですよ」と、なるほど、よくお城やお寺の広間にある豪華な絵天井を、鉾に合うようにアレンジしたもの。「穴は、柱が通るところです」と鈴木さん。
2階に上がると、お座敷には、さまざまな装飾品が展示されています。


ミモロを、身を乗り出して、ひとつひとつ見てゆきます。
「わーきれいな刺繍…」



「お稚児さんは、頭にかぶる冠も自前だったんです」と。

「こんな感じ…」とミモロは、冠をかぶるマネ。

「あのー鉾に上ってみたいんですけど…」とミモロ。「うーミモロちゃんって女の子?」と鈴木さん。「はい、女の子です」とミモロ(内心、見てわかんないかなぁ~とちょっとムーとしていました)。
「残念…『放下鉾』には、女の子は乗れません!」「えーどうして…他の鉾には乗れるのに…」と、一瞬不満そうな表情に。
鉾の前には、次のような表示が…。

伝統を重んじる鉾なので、今も、女性をのせることが禁止されています。「う~。しかたないねぇ~」とミモロも納得。
男女同権の世の中ながら、神事には、昔から女性禁制のことが多くあります。それを守るのも、一つの考え方です。
ネコでも女の子は、ダメ…ということで、ミモロは、その日は、おうちに引き上げることに…。
「また、明日、よく鉾が見えるときに来まーす」と、「放下鉾」保存会の会長さんにご挨拶。
「はい、またいらっしゃいね~」と、

「あ、逆ミッキーもついてる…」このマーク、女性や子供たちに受けているそう。
たくさんの提灯が飾られた鉾は、夜に浮かび上がり、それは素敵な雰囲気…「祇園祭だね~」と、その情緒に浸ります。

さて、次の日、ミモロは、再び「放下鉾」を訪れました。

「こんにちは~」



「この奥どうなってるんだろ?」会所の町家の建物は、奥にずーっと通路が伸びています。「そっちは、入っちゃダメですよ」と、そういわれても、奥が気になるミモロです。

「ここ?」


敷地内の奥の蔵の2階と、町家の2階を結び、蔵に保管された装備品などを運ぶための渡り廊下です。祇園祭が近づくと、この廊下を設置。終わると取り外されます。こういう工夫は、他の鉾でもいろいろ…。でも、これだけダイナミックなのは、他にありません。
お蔵から運び出された装備品の中で、有名なのが、染織家、皆川泰蔵氏による麻に紺色ろうけつ染を施した見送。見送は、鉾の後ろ側にたらされる、とても目立つ部分です。

「いいなぁ~」と、やっぱり憧れの鉾…。「女の子は、上がっちゃだめなんだって…」

「じゃ、近くまでいいですよ~」と鈴木さん。


明日の山鉾巡行では「放下鉾」は、21番目に登場します。

「明日は、どこで見ようかな…」と、ミモロは、いろいろ思案中…。
「放下鉾」は、ここに建ってます。


ブログを見たら、金魚をクリックしてね。ミモロより