「あ、始まってる~」と、突然、ミモロが耳をピクピクさせながら言いました。ミモロの耳に届いたのは、ご近所の「粟田神社」の境内で行われている剣鉾の練習の鈴の音。ミモロの家から、神社までは、歩いて5分ほどの距離ですが、夜の8時は、辺りは静寂に包まれているので、遠くからも鈴の音が、風にのって、かすかに聞こえてくるのです。「行かなくちゃ!」と、ミモロは、その鈴の音に誘われるように、トコトコと三条通から、神社の境内へと向かいました。
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「わ~やってる、やってる…」境内では、10月11日から15日に行われる「粟田神社」の大祭で、氏子町を巡行する剣鉾の練習のため、20人ほどの人たちが、集まっていました。
この剣鉾は、祇園祭の山鉾の原形ともいわれるもの。神輿が通る町を、浄める役割があります。千年を超える歴史があるという神社とこの祭り、大燈呂、神輿、そして剣鉾など、見どころが多い祭りで、近年、注目を集めています。祭りの期間中には、祇園祭のように、町の各所の会所には、錦の御旗や鉾なども飾られ、それを巡る楽しみも…。
さて、神輿の前に町を巡行する剣鉾。
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約6メートルほどの竿の先に、見事な飾りをつけた剣が、空をさすように、男たちにさし上げられます。その下についているのが、ずっしりと重い鈴(リン)を、竿の側面にぶつけて、音を響かせるのです。
しかし、これがなかなか技が必要。音がちゃんと鳴るまで、3年は、かかるそう。そのため、「粟田神社剣鉾奉賛会」では、後継者の育成などに力を注ぎ、また、京都に残る剣鉾の復活などにも尽力しています。
ミモロは、10月になって、この鈴の音が夜の町に響くと、じっとしていられません。なにやらネコの本性がうずくよう…。
今年で、練習の見学も4回目。すでに奉賛会のみなさまとも、すっかり顔なじみ…。
毎回、あまりに熱心に練習を見学するミモロを見て、奉賛会の会長さんが、「ミモロちゃん、剣鉾にのってみる?」と。「え~剣鉾に乗れるの~。キャーうれしい…」とミモロは、顔を輝かせます。
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「では、こっちに来て~」と、ミモロの体に赤い紐が巻きつけられました。「ここでいいんじゃない…」と、
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ミモロは、紐で、剣鉾の竿にしばりつけられました。「あ…乗るって、こういうこと…」とミモロは、なすがままの状態に…。
「落ちないようにしっかり…」「うーちょっと苦しい…」「では、竿を上げて…」ミモロの乗った(しばりつけられた)竿が次第に持ち上げられます。
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まっすぐにさし上げられた竿の鈴のすぐ下に、ミモロの姿…。「わー高い…ちょっと揺れるけど…最高!」
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ミモロだけが、体験できる剣鉾の醍醐味。境内を2往復ほどして、ミモロは、再び地上へ。
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周りにいらした方の中には、「ムササビがつかまってるかと思った…」と。なんでも境内には、ミモロと同じような色のムササビが住んでいて、ときどき姿を見せるだそう。
剣鉾に乗ったミモロ…ますますミモロパワーがアップされました。
剣鉾の練習は、祭りの日まで、毎日のように続きます。夜20時から21時30分まで、境内では、だれでも見学が可能です。夜に剣鉾が見られ、また鈴の音が聞けるのも、この時だけ…。ぜひ、見学にいらしては…。
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練習が終わると、剣鉾は、大切にしまわれます。
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江戸時代から伝わる装備品。大切に補修、保存がされ、まさに氏子町の宝物。
片づけを終わると、みんなで直会(なおらい)で、お清め?を…。
「ミモロちゃんもいっしょに…」と言われ、遠慮なく仲間入り。世代を超えて、剣鉾に関する話で盛り上がります。
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ミモロもジュースをいただきながら、お話しに耳をピクピク…。
京都では、剣鉾をさし上げる祭りが、次第に復活し、その数をわずかながら増やしています。東京の祭りでは、見られない剣鉾。京都でも、地域によって、剣鉾のさし上げ方に違いがあるそう。その違いを見るのも、今後のミモロの楽しみに…。
剣鉾の上で聞いた鈴の音は、さぞや大きく聞こえたことでしょう。「かなり大きいよ…」とミモロだけが知ること…。
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剣鉾の鈴は、激しく竿に当てるため、割れてしまうことも…。そして同時に複数製作しても、それぞれ音が違います。「でも、本当にいい音色なの…」リーン、リーンと夜の町に響く鈴の音は、昼間とは、また違い、いっそう心鎮めるもの。
剣鉾の町の巡行は、10月13日の0:20に境内をスタート。18時前に戻ります。
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「大灯呂や御神輿のお手伝いもしなくちゃ…」また、そのお話しは、いずれ…。
ともかく、10月の祭りまで、ミモロは、ワクワク、ドキドキ…。
「地元のお祭りっていいよね~」と、観光客では味わえない地元のみなさんとの交流が、なにより楽しいミモロです。
*「粟田神社」祭りなどに関する情報は、ホームページでどうぞ…。
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