ネコのミモロのJAPAN TRAVEL (Mimoro the cat:JAPAN TRAVEL)

「京都観光おもてなし大使」のライターとネコのミモロが、京都の情報や暮らし、グルメなどをご紹介。心和む雑誌のようなブログ

寛政元年創業の和ろうそくの老舗「小島商店」。古い佇まいそのものの店内と和ろうそくのやさしい光

2015-06-04 | 老舗

鴨川にかかる四条大橋と五条大橋の間にある「松原橋」は、かつて五条大橋だった橋。牛若丸と弁慶が出会ったのも、実は、この橋の上と言われます。平安時代、松原橋(旧五条大橋)は、清水寺への参拝の橋。松原通も、東に向かう人々で賑わう街道でした。
その道には、今も、昔の面影を留める店が、点在し、なかなか興味深いところなのです。

鴨川から、松原橋を渡ってすぐにある木造家屋が、和ろうそくの専門店「小島商店」です。
  

ちょっと薄暗い店内…「ごめんください~」とミモロは、恐る恐る中へ
  
古めかしいタンスや戸棚…「なんか昔にもどったみたい…」そんな気分になる店内です。

上を見えあげると、天井は吹き抜けになって、2階には、長持ちが置かれています。
 
年代ものの木彫りの看板…「なんか博物館に来たみたい…」すべての時が止まったような錯覚に陥ります。

お店の造りも昔のまま。
お店の方とは、店先に座ってお話を伺います。

ここは、なんと寛政元年(1789)創業の和ろうそくの専門店です。屋号は、若狭屋。創業者は、若狭の出身だったとか。
1788年に京都は天明の大火に見舞われ、町の大半を焼失します。このお店は、翌年できたことに。

かつては、町のあちこちにあった和ろうそくの店。明治になり、安価な洋ロウソクの普及と電燈の発達により、その需要は激減します。京都でも、10軒ほどになったそう。

「おじいさんの時代まで、ここで和ろうそくを作っていたんですよ」と。店の一角には、今も、当時の作業場が残っています。
  

和ろうそくの材料は、ウルシ科のハゼやウルシの実から採取した木蝋をとかし、和紙などの芯に手で何度もかけるようにしながら、まきつけてゆきます。その材料も今や少なくなり、まさに高級品となっています。
大きさにより、火がともる時間が異なり、それを示す表示も。和ろうそくの光は、石油系の洋ロウソクに比べ、強く、揺らぎ方も異なります。また、煙に含まれるカーボンが少ないため、仏壇などを汚しにくいのだそう。

今は、京都の寺院のほとんどが、特別な時以外、日常では洋ロウソクを使っていますが、かつては、京都のいろいろなお寺に、リヤカーで和ろうそくを納品したそう。最近でも、お茶席で、和ろうそくを使うことが多いのだとか。

「あのね~ミモロもおうちに和ろうそくをもってるの。でも、もったいなくて、つけられない…」と。

「じゃ、ちょっとつけてみましょうね~」と、ミモロに、赤い和ろうそくをつけてくださいました。
「わ~やさしい光…」洋ロウソクとは、やはり趣が違います。「この光で、お食事したら、ロマンチック…」和食を頂くときに風情があるかもしれません。

「和ろうそくは、使い続けるには、芯を切らないといけないんです。こでで、切るんですよ」と。「え~なんかピンセットみたい…」

「でも、この光、すごくすてきだから、もっと見ていたい~」と、しばらく光を見つめつづめるミモロです。

静かな店内には、掛け時計が時を刻んでいました。
「あの~時計の横にある大砲の弾みたいのなんですか?」と、不思議な物体を見つけたミモロです。

「あ、それね、日本初の消火器なんだそうですよ」とお店の方。
側面には、お店の名前が書かれています。「たぶん発売と同時に、火にかかわる店ですから、購入したんだと思います。テレビ番組を制作する方が、見にいらっしゃいました」と。なるほど、ここには、明治時代の貴重な品々が、そのまま置かれています。時代考証などには、役立つ品々がいろいろあるのです。

店内には、和ろうそくのほかに、種類豊富にお線香や洋ロウソク、懐かしいマッチなども置かれています。
   
袋詰めの小さなロウソク。「これ人気あるんですよ」と。「毎日、違う色のロウソクを仏壇に置いて、お線香つけたら楽しいかも…」と約3センチほどの小さなロウソクです。

「外国の観光客の方には、こんなロウソクも人気です」
「え?それロウソクなの?」カップラーメン、お寿司、ラーメンなどの、商品サンプルのようなロウソクです。また、ビールや日本酒のローソクもあり、こちらは、お酒好きのご先祖様にお供えするために購入する人も多いのだとか。

本物のように、よくできたロウソクです。

「これ食べたい…ミモロ、ミルキーリュックに入れてるの~」と棚にミルキーのキャンディーを見つけたミモロ。
でも、どうしてここで売られているの?
箱を開けると、なんとそれはお線香。ほかにも、いちごみるくやボンタンアメなどが…。

火をつけると、ほのかに、それぞれの薫りがただようのだそう。「ホント、甘いにおいがする…クンクン」と鼻を近づけるミモロです。

「ねぇ、これ買ってゆこうよ~。ご先祖様にお供えするの、きっとミルキー好きだよ…」。好きなのは、ミモロでしょ!

ふらりと立ち寄った松原通のお店。この通りには、なかなか興味深いお店が多そう。また、リポートします。

*「小島商店」京都市下京区松原通河原町西入ル 075-351-0486 8:00~19:00 日曜休み 




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