賀茂川と高野川が合流する下鴨神社そばにある出町柳。「枡形商店街」は、その地域の人たちが日常品を買いに来る地元の商店街です。

今出川通に並行する東西全長164メートルのアーケードで、食料品を中心に、衣料品や花屋さんなど、40店舗以上が軒を連ねています。
ミモロも時々お買い物に訪れる場所。商店街としての形ができたのは、戦後で、アーケードになったのは、1974年からだそう。
りっぱな御影石の石畳は、1991年に整備されたものです。
実はここエリアは、日本海側から続く鯖街道の終点。また、上賀茂神社の参道がスタートするものこのエリアから。
2つの川が合流する立地から、人や物が集まりやすく、京都の町への入り口ともいえる場所なのです。
その商店街の東の入り口にほどちかい場所に、「高橋盛香堂」というお店があります。


ミモロは、店先で足を止めました。「あ、お煎餅売ってる~」。そう、ミモロの大好物の煎餅がいろいろ店先に並んでいます。

「あ、カステラもある~」

商店街の中では、古い構えのお店…。「お煎餅屋さんかな~」と思っていたのですが、

「ごめんください~あの~お煎餅くださいな~」とお店の方に声をかけます。

「はい、いらっしゃいませ~。あられですね~」と、笑顔が素敵なお店の方が…。
ちなみに、あられとおかきは、原料はもち米。一方煎餅は、うるち米なのだそう。東京生まれのミモロにとって、あられという言葉はあまり馴染みがありません。大きさの大小、原料の違いなどに関わらず、お煎餅なのです。
「ところで、あの~ここ何屋さんなんですか?」と、抱いている疑問を尋ねます。
「よく聞かれるんですよ~。ここは、薫物具店なんですよ」と。
薫物具店とは、仏事に関わる線香やロウソク、そしてそれらに関係する品々を扱うお店のこと。
店の東側は、あられが並び、西側には、線香やロウソクなど仏具が棚に並んでいます。


天井まで積まれた箱は、さまざまな大きさの洋ロウソクです。
看板にあるように数珠の種類もいろいろと…。またロウソクや線香を立てるものなども棚に…。



「昔からここでお店してるんですか?」とミモロ。
「はい、創業は大正12年ですから、現在3代目です。この商店街ができるずっと前からで、創業当時は、この通りにいくつかお店が点在していたそうです。この辺りは、お寺も多いですから、昔は、荷車に乗せて、そこに品をたくさん納めていたんです。あられですか?以前は、蒲鉾を扱っていたんですが、3軒さきに蒲鉾屋さんができるというので、あられを扱うことに…。その蒲鉾屋さんも今は、ありませんけど…」と。
つまり、線香やロウソクなどと同じ時期から、蒲鉾などを商い、今は、あられになったということ。
「だからお店に、両方あるんだ~」と納得。
「昔は、線香の自社工房があって、そこでオリジナルの線香を作っていたんです。今も、その独自の調合で、特製の線香を依頼して作ってもらっています」と。
「わ~すごい~」と、店の奥を見てミモロが声を…

ミモロが見上げていたのは、

このお店ならではの、オリジナルのお線香。


いずれも自然の香木を使った線香は、すっきりと爽やかな香り。なかでもおすすめは、「やなぎの香」で、3代目と娘さんが、ともに開発した新しい薫りです。沈香を基調にした上品な香りが、人気だそう。
「これキャンディーボックス?」瓶の中には、三角錐の線香が…ばら売りされています。

「ネコちゃんのお香立もありますよ」と高橋さん。

お店の品を見てゆくと、カワイイ品を見つけることができます。
「あられも美味しいですよ」と。ミモロは、1袋購入。「早くお家で食べようよ~」と。
枡形商店街の中でも、もっとも歴史あるお店です。
「商店街って楽しいね~」とミモロ。京都は、まだアーケードの商店街が残っている町。スーパーやコンビニでは味わえない、店と客の親しい関係…。ミモロも次第に、商店街になじみのお店が増えつつあります。
*「高橋盛香堂」京都市上京区枡形通出町西入ル青龍町234 075-211-1645 10:00~17:00 水曜休み

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