ネコのミモロのJAPAN TRAVEL (Mimoro the cat:JAPAN TRAVEL)

「京都観光おもてなし大使」のライターとネコのミモロが、京都の情報や暮らし、グルメなどをご紹介。心和む雑誌のようなブログ

松原通の老舗のやきいも屋さん「林商店」。お芋一筋100年。昔ながらのかまど焼き

2015-06-05 | グルメ

四条通と五条通の間を東西に走る松原通。かつて平安京造営時点では、ここは、五条大路だったところ。
今は、道幅もそれほど広くない道ですが、昔は、大変にぎわった通りです。

昨日リポートした和ろうそくの「小島商店」から、西に少し歩いた南側に、ミモロは、大好きな文字を見つけました。
「わ~」と歩みを速めお店へ。
大好物のやきいもと書かれた布が店先に…。


こちらも古めな佇まい。店先には、竈が鎮座しています。

かまどの上の桶には、ほどよい焦げ目の焼き芋が置かれています。

「美味しそう…食べたい~」と、その前から動かなくなったミモロです。

「あの~お芋ください~」と、ミモロは、お店の奥に声をかけますが、なんの反応もありません。
「え~だれもいないのかなぁ~」と、美味しそうな焼き芋を前に、途方に暮れている様子。
かまどの周りをウロウロと歩き回ると、「あ、これ~」。だれもいない店のかまどのそばに、「御用の方はベルを押してください」との表示を見つけました。さっそくミモロは、ベルを押すと、しばらくして奥からお店の方が姿を現しました。

「あの~焼き芋ひとつください~」「はい。ちょっと待ってくださいね~」


「ひとつ?」「はい、ひとつ…」

タングで焼き芋をつかもうとする先をじっと見つめるミモロです。

「あの大きいのがいいなぁ~」ミモロ、どれもほとんど同じ大きさよ…。

ミモロの思いとは関係なく、ひとつつかむと、紙袋へ。「はい、お待ちどうさま~250円です」

こんがりほどよい焼きめのついた焼き芋は、四国産の鳴門金時。そのままで、ほんのり甘いお芋です。

すでに創業して100年以上になるそう。現在は、4代目なのだとか。
「あの~焼き芋のほかに、なにか売ってたんですか?」とミモロ。というのは、多くの焼き芋屋さんは、夏は氷、冬は炭などを扱うところが一般的なのです。
「いいえ、うちは、焼き芋だけ…」「へぇーそうなんだ~」

今はガスを使っていますが、昔は、薪でかまどを焚いていたそう。
「中に石がならんでいるの?」とミモロ。「いいえ、それは石焼き芋でしょ、うちは鉄板の上に並べて焼くんですよ」と。

1日、何回か焼くのだそう。「焼き立ても食べたかったなぁ~」と。お土産に購入する人も多いそう。予約もできます。

店の片隅には、懐かしいラムネが…

「うちで焼き芋以外に扱っているのは、これだけ…」と。
焼き芋にラムネという絶妙な組み合わせ…

さて、この松原通は、八坂神社と伏見稲荷神社の祭りの境界線に当たります。
「え~こんなとこまで伏見稲荷さんの範囲なの?」と驚くミモロ。伏見稲荷の大きさが感じられます。
なので、かつては、ここまで稲荷の神輿が練り歩き、また、祇園祭の山鉾が通ったのです。
「え~ここを山鉾が通ったの?」「今は電線だらけだから、通れませんけど…昔も、家の軒ギリギリを通ってたんです」と。

現在は、祇園祭の17日の神幸祭で、西御座の神輿が、ちょこっとだけ松原通の一部に入ります。

包んでもらった焼き芋を抱えながら、もうすぐ始まる祇園祭に思いをはせるミモロです。


「この通りには、大丸もあったんですよ~」「え?あのデパートの大丸?」
そう、江戸時代から明治末まで、この通り沿いに大丸百貨店があったのです。現在の四条高倉に移転したのは、大正元年。
幕末、京都の町を闊歩した新撰組のキザキザ模様の羽織も、その大丸の特注品だといわれています。

「ホント、にぎやかな通りだったんだね~」と、ミモロは、ますます松原通に興味を抱いたよう…。

また、いつかリポートしますね。お楽しみに~


*「林商店」京都市下京区松原通寺町西入ル石不動之町700  075-361-1933 9:00~19:00 無休
予約も可能


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