熊野本宮大社に参拝する人たちが宿泊するのにおすすめは、本宮温泉郷。そこには、「川湯温泉」「渡瀬温泉」「湯の峰温泉」があり、それぞえに温泉宿が旅人を迎えます。
ミモロが訪れたのは「湯の峰温泉」


川沿いに湯宿が並ぶ、昔ながらの湯治場の風情を残す温泉です。「あ、川のところから湯煙が上がってる~」
ここは、開湯1800年という日本最古の温泉で、熊野詣での旅の埃や垢を落とす禊をする湯垢離場として、また、山道を歩き疲れた体を癒す場所として栄えたところです。
川の中にある小さな木の小屋…それが世界遺産の「つぼ湯」です。「すごい温泉で世界遺産なんだって~」
この温泉地には、長い歴史とドラマチックなお話しが残っています。

それは「小栗判官と照手姫の物語」。
約600年前、勇猛果敢な武士として思うがままに暮らしていた小栗判官は、戦いに敗れ、常陸の国へとのがれます。その敗走の旅の途中に出会ったのが、相模の豪族の娘、美しい照手姫で、ふたりは恋に落ちます。でも、それに怒った照手姫の父親は、小栗判官に毒殺します。でも、閻魔大王に命を蘇らせてもらった小栗判官。でも、その姿は、なにも見ることも、聞くことも、話すこともできない餓鬼の姿に。高僧により「ひと引きしたら千日供養」と書かれた札を首から下げられて、歩くこともできない餓鬼となった小栗判官は、木製の手押し車に乗せられて、なんと熊野を目指します。この手押し車は、京の町も通過し、大阪から熊野へと、さまざまの人に引いてもらいながら、餓鬼の判官は命だけをつなぎ、旅を続けます。
一方、別れた照手姫は、なぜか遊女に身を崩し、流浪の旅に。偶然、餓鬼の手押し車に遭遇し、それがかつての恋人の判官とも知らずに、哀れに思ったのか、手押し車を押して、熊野へと向かいます。
熊野の湯の峰に到着した餓鬼の一行。照手姫は、旅の汚れも付いてきたない餓鬼を、つぼ湯につけ、49日間経った時、なんと餓鬼は、元の小栗判官に蘇ったのだそう。そしてふたりはお互いの境遇を知り、その後は、幸せに暮らしましたとさ~。
と、掻い摘んでお話しを…。
湯の峰温泉には、その手押し車を埋めたという塚などもあります。
以来、この湯は、蘇りの湯としてのご利益が多くの人々に伝えられ、病を癒す人たちが大勢訪れたのだそう。

「ミモロも温泉に入りたい…」と。このつぼ湯は、貸切制。予約をするれば、だれでも利用することができます。
世界遺産に登録された入浴できる温泉なのです。
「さぁ、入ろう!」


家族や友達ともいっしょに利用できますが、ペットのネコや犬はダメ。でも、ミモロは特別ですから…OK。

約3畳ほども大きさの狭いスペースに、白濁した温泉の湯船が。でもこの湯は、1日に7色に変化する神秘の湯なのです。

まずは、体を洗って、湯船へ。

「う~熱い…」源泉の温度は、90度近くなので、湯船の湯の温度は調整されているものの、かなり熱め。「でもこれで体が蘇るんだよね~」と我慢しながら入るミモロです。
さて、湯上り、ミモロは、近所の人達が利用する温泉場へ…。


なんとあらかじめ買っておいた玉子を温泉へ。


バスタオル姿での町の徘徊は、禁止です。「だって、熱かったんだもの~」全身毛皮のミモロは、なかなか体が冷えないよう。
やっと着替え終えたころ、玉子もちょうどいい具合に…
「もういいかな?」

「あ、半熟だ~。でも美味しそう」玉子のネットには、殻を入れる袋が。

この温泉の湯は、ゆで玉子だけでなく、野菜を湯がいたりするのにも利用されています。
「温泉とゆで玉子で元気になった感じ…」と、さっぱりした顔のミモロです。
*「つぼ湯」の詳しい情報は、ホームページで
