この日、ミモロはお友達と京都の北西部鷹峯へとやってきました。鷹峯は、丹波、若狭へと続く街道沿いのエリアで、昔から交通の要所だったところです。
「あ、ここにも御土居が続いてるんだ~あそこの桜きれいだな~」


柵に囲まれた中には、こんもり高い土手…そう、秀吉が京都の町の守護のために築いた御土居の一部が姿を見せています。
当時、治安の悪化が懸念された都を守るため、南北約8.5キロ、東西約3.5キロにわたりぐるりと町を囲んだ高さ約5メートルの土手。

「万里の長城のようなもの…?」とミモロ。そう、規模はかなり違いますが、似たようなものです。
「いいなぁ~あそこの桜もっと近くで見たいなぁ~」とミモロは、柵のそばを離れません。

「あれ、もしかして中に入れるの?」柵の入口の鍵が開けられて、そこから出入りする人の姿を目にしました。
「あの~どうしたら中に入れるんですか?」とミモロ。「あそこのお菓子屋さんに行って、名前を書いて来てください」と言われました。そこで向かい側の和菓子屋さん「光悦堂」に向かいます。


大きなのれんにも名物と…。「どんな御餅なんだろ?」ミモロの関心は、御土居より、御土居餅に…。
「これが御土居餅…美味しそう…食べたい~」と。


この御餅は、二度蒸ししてついたモチ米に、甘煮の赤エンドウや砂糖などを混ぜて、その中に、餡を詰め、きな粉をかけたもの。いくぶん細長い形は、御土居をイメージしたものだとか。
ほかにもいろいろな和菓子が並んでいます。「お花見団子もある…」と、店先のお菓子を見てゆきます。



「どれにしようかな~でも、やっぱり今日は『御土居餅』にしよう…」。これください…」とお店の方に…。
名物の御餅を買ったミモロ「ありがとうございま~す。いただきま~す」と店を出ました。「あ!御土居に入る許可もらうんだった~」と、すっかり本来の目的を忘れていました。「あの~御土居に入りたいんですけど…」するとお店の方が、「はい、ここにお名前と住所書いてくださいね」と記入用紙をミモロの前に…。
「はい、今、ゲート開いてますから、どうぞ…」と。桜の時期だけ御土居の中にはいれるのです。これは地域の方々のご厚意によるもの。
許可を受けたミモロは、周りの柵の中へ。
小山のような御土居へ、細い道をよじ登ります。そして頂上へ。
「わ~ここが頂上…なかなか立派な桜…」



ミモロが、桜を楽しんでいると、10人ほどの方々が桜の下に集まってきました。


ミモロは、木の蔭から、うらやましそうに眺めます。
そんなミモロを見つけた方が、「こっちに来て、いっしょにお花見しましょう…」と声をかけてくださいました。
「え?いいんですか~」と、ミモロは、なんとお仲間に入れていただくことに…。
男性の料理教室の皆さんのグループです。「はい、これ食べて…なに飲む?」と、次々にお弁当のおかずをミモロにわけてくださいます。「あの~ミモロ、御土居餅持ってるんで、これ食べます」と。「それだけじゃ…これも食べなさい…」と稲荷ずしもいただくことに…。

ほかにお花見をする人もなく、まさに貸し切り状態。周囲の山々の景色を眺めながら過ごすのどかな時間…。

「どうもお邪魔しました。ありがとうございました」と皆さんにお礼を言って、御土居をおります。

「ホント楽しかったね~」と、桜が取り持つ素敵なご縁でした。

*「光悦堂」京都市北区鷹峯旧土居町1-203 075-492-0798 9:00~19:00 木曜休み

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