友禅作家の黒田庄七郎先生のデザインと染め、そして金箔の伝統工芸士 上仲昭浩さんの金箔により、いよいよ完成・・・と思われたミモロの振袖。「う~なんかまだ足りない気がする~」と言い出したミモロ。
「そうだ、お着物には刺繍も欲しいよね~」と。そこで伺ったのは、京繍の作家、長艸敏明・純恵先生のところです。


「平野神社」の東側にある歴史を感じさせるお家。そこが工房のある「貴了庵」です。
京繍は、仏教伝来と共に、飛鳥時代に大陸から伝わったといわれる布に糸で模様を刺す技術です。京都には、平安遷都以来、衣服の装飾のために、専門の職人が育成され、その技術は、今日まで伝わります。さまざまな意匠を、金糸・銀糸をはじめ、色の絹糸を使い、多彩な技術で布に模様を刺してゆきます。
長艸敏明先生は、日本を代表する京刺繍の作家さん。能衣装をはじめ、さまざまな作品を手掛け、世界的なデザイナーとのコラボなど、その活躍は、国内外に知られる方。工房にも、素晴らしい作品が展示されていました。

ミモロとは、京都に暮らす前からの顔見知り、そこで「あの~振袖に刺繍がほしいんですけど~すごく豪華になると思うんです」と、同じくさまざまな作品を手掛ける作家の奥様の純恵先生に大胆にご相談。
「まぁ~素敵な振袖ですね~。そうですね~、刺繍をすると、立体感が出ますし、より趣も加わります。そうね、どこに刺繍しましょうか~」と純恵先生。
「よかった~刺繍してもらえるんだ~」とホッとしたミモロ。「どこを目立たせたいですか?」と聞かれ、「小判!」と答えたミモロです。
「では、明日、お教室がありますから、そこで教えますから、ミモロちゃん、頑張ってやってください~」と言われます。「あの~ミモロできるでしょうか?」と心配に・・・。「う~たぶん大丈夫だと思いますよ~ともかく頑張ってね!」と。さすがに先生にお願いできないので、自分でやることになりました。
そこで次の日、さっそく再び工房へ。
ここで京繍を学んでいらっしゃるお弟子さんに、生地を木枠にセットしてもらいます。
木枠の端に布を挟み、枠に伸ばします。木枠の縁と生地を糸でかがります。


「あ、ピ~ンとした~」京繍の場合、刺繍する部分を少しずつ木枠に張ってゆきます。


ミモロが乗ってもピントした張り具合です。
世界中に刺繍の技術はあり、民族衣装を美しく飾ります。日本の刺繍「京繍」は、細い糸と針で、絹糸の表情を表現するように刺してゆくのが特徴です。糸の刺し具合で、絹糸の光が異なり、微妙なニュアンスが見事に表現されるのです。
「わ~細い針・・・いろんな金糸があるんだ~」


いよいよ純恵先生のご指導が始まりました。まずは、お手本を先生自ら・・・


「京繍は、両手を使ってするのが特徴なんですよ~右手で布の上から・・・左手で下から針を動かします」と。
ミモロが今回教わるのは、小判のまわりを、2本の細い金糸で囲うように刺す方法です。


2本の金糸を、さらに細い糸で1ミリほどの間隔で止めてゆきます。
「わ~小判の枠がしっかりして、すごく目立つようになった~!」と、その刺繍の威力に驚くミモロです。

本当に細かい作業・・・先生のお手本に従って、必死に頑張るミモロです。


なんと小判の数は、11個。「先生に1個やってもらったから、残り10個だ~なんとか今日中に終えなくちゃ~」
必死に頑張るミモロ。

「え~と2本の糸をキチンと揃えて…糸が浮かないようにしっかり刺さないと~」。初めての作業はなかなか大変。
朝10時からはじめて、「できた~」と全部刺繍が終わったのは、夕方4時過ぎのことでした。


「純恵先生、できました~!」と、ミモロは先生のところへ。「どれどれ~あれ~全体に上手にできてますね~。初めてにしてはスゴイ!1日で終わると思わなかった~」と褒めていただき、ニコッとするミモロです。
最後の始末の部分は先生にお願いします。「こうやって糸が抜けないように、糊で止めておくんですよ」と裏側にちょっと糊をおいて、糸を止めます。


「はい、完成!よくできました!りっぱな振袖になりましたね」と先生。「おかげさまで、ありがとうございました」

ついに振袖の生地は完成。最終段階の仕立てへと進みます。

長艸純恵先生、本当にありがとうございました。
*「貴了庵」では、京繍の1日体験刺繍教室なども行われています。詳しい情報はホームページで
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