いよいよもうすぐ仕上げるミモロの振袖。京都の伝統の技をもつ職人さんたちが、本気で作ってくれたもの。
そんなある日、ミモロは、ミニ着物作家の赤塚先生の工房で、お人形の日本髪かつらのサンプルを、なんの気なしにかぶってみました。すると「ミモロちゃんピッタリ~」と先生もビックリ。


「わ~この日本髪、振袖着るとき、かぶりたい~」ということになりました。でも、この日本髪は、先生があくまでサンプルに作られたもので、髪飾りもそれほどたくさんはついていません。「もっと華やかなのがいいなぁ~」とミモロ。
そこで「あ、北井さんにご相談しよう~!」と思いたちます。向かったのは、大徳寺東門の向かい側に店を構えるつまみ細工の「おはりばこ」です。


花簪など舞妓さんの髪を飾るのが、薄い絹布を花びらのような形にした伝統工芸のつまみ細工です。
江戸時代ごろから一般に普及し、商家のお嬢さんたちの間で流行した髪飾り。江戸や京都で盛んに作られたそう。
「こんにちは~あの~お願いがあるんですけど~」とミモロは、このお店のオーナー職人である北井とき子さんに・・・。
「はい、なんでしょ?」

「どんな感じのがいいのかな?」とやさしく対応してくださいます。
「こんな感じ~」と、お店のカタログのモデルさんの写真に並ぶミモロです。

「では、どんな色の簪にする?お着物は、どんな色?」と聞かれ、写真を見せて色の布から合うものを選びます。


「こんな感じかな~」と、その日は、布選びまで。
後日、職人さんでありご店主の北井秀昌さんといっしょに、最終チェックの後へ。「う~こんな大きさかな~?」

さっそく製作作業に・・・ミモロは、そばで作業を見つめます。


1センチ角のマス目が付いたカッティングボードの上に、花びらのように薄い絹の布を1センチ角にカットします。

それをピンセットでつまみ、三角に三回折って、花びらの形にするのです。そのつまむ作業から「つまみ細工」と呼ばれます。花びらの形につまんだ絹布は、安定のため、角の部分をハサミでカットし、デンプン糊を敷いた板の上に並ばせ、形を安定させると共に、糊を布に沁みこませます。


主な折り方は、シャープな形になる「剣つまみ」、ふんわりした形になる「丸つまみ」を使います。
「う~小さい~」と目を見張るミモロ。その大きさは、小豆粒ほどです。
実は、当初、ミモロの花簪は、人間のものの小さなサイズと思っていたのです。しかし、「それだとバランスが悪いんです」と、職人さんの完璧を求める気質がムクムクと。そこでわざわざとても手間がかかる小さな花びらで作ることになりました。
「さすが優れた職人さんは、妥協を許さないんだ~。うれしい~」と涙ぐむミモロ。
あらかじめミモロの日本髪かつらに合うサイズの花簪の土台をご用意くださっていて、それに花びらを並べてゆきます。
「一番最初の花びらの位置を決めるのが、難しいんです」と北井さん。どこに置くかで、簪の印象が異なるそう。


決まった1枚目の花びらをもとに、次々に花びらを置いてゆきます。
中心部は、シャープな「剣つまみ」を12枚。その周囲にふんわりした形の「丸つつみ」の花びらを1枚ずつおいてゆきます。


「わ~すごい~お花が咲いて行くみたい~」

「あの~ミモロもやってみたい~」とピンセットを持とうとしますが、残念ながら、ピンセットがうまく使えません。

つまみ作業は、開始から1時間以上、黙々と続きます。

「はい、できましたよ~」


3色の色違いの花びらは、なんと渦巻きのような形に、「え~いつこんな風になったんだろ?」と不思議がるミモロ。
「まぁ、それが技なんですけどね~」と北井さん。
さっそく日本髪のカツラに合わせてみます。

この下に、さらに飾りがつき、またもうひとつ金属の前櫛平打ち簪も作られるそう。
「できたらまた連絡しますね~」と、北井さん。「ありがとうございます。よろしくお願いします」と挨拶するミモロ。
今回、日本髪のカツラとの偶然の出会いで、また素敵な伝統工芸の技をミモロのために発揮してくださった「おはりばこ」の北井秀昌さんとお母様のとき子さん。お忙しい中にミモロのために・・・


お二人の優れた技が、小さな小さな花簪に見事に表現されています。「ホント感激しちゃう~」と目を潤ませるミモロです。
ここ「おはりばこ」では、TPOや髪型などに合わせてオーダーで髪飾りを作ることができます。また、「つまも細工のかんざしづくり体験」も。ぜひホームページで
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