毎年、5月13日に東山の知恩院のそばにある「得浄明院」で「白天龍王社」という芸事の神さまに、式包丁が奉納されます。


「得浄明院」は、信州善光寺の別院で、伏見宮家第三皇女さまによって創建された尼寺です。
5月の上旬には、一初の花が境内を彩ることでも知られます。

さて奉納される式包丁というのは、平安時代より宮中に伝わる儀式で、狩衣などをまとった庖丁師が、食材に一切、手を振れず、包丁と箸で食材を切り分け、吉祥を示す景色を盛り付ける古式ゆかしい儀式です。
奉納なさるのは、「包勝一條流」の皆さま。
午前10時半からしめやかに儀式が始まりました。

ミモロは、そばでその様子を見つめます。

晴天に恵まれたこの日、本堂前に設えられたまな板に大きな豆腐が置かれ、それを大きな包丁と長い箸で、まるで舞のような優美は所作で次々に豆腐を短冊状に切ってゆきます。

「なにができるだろ?」とミモロは興味津々。
いつもおめでたいことにちなんだ漢字が作られます。
大きな豆腐を、描く文字の画数とそれぞれの長さを把握し、一切れも残さず、豆腐を使い切って描きます。
「どの部分をどのくらいの長さにして、いくつ短冊が必要か把握するの大変~」といつも思うミモロです。

そろそろ出来上がりそう。
「う~ここから見えない~」と背のびするミモロです。

今年、奉納された文字は、「令和元年」でした。

「ということは、令和の年号が発表されてから、練習したんだ~」と思うミモロ。
「画数少なくてよかったね~。令の字が麗だったら大変だったね~」と、余計なことを心配。
この日、ミモロが拝見したのは、三代目のお家元の富田勝雄さんの奉納でした。
京懐石の「京とみ」という料理屋さんのご主人で、ミモロは、東山のお店によくランチに出かけ、仲良しに。

京都に来てから知った式包丁。狩衣など、みんな自分の衣装を持っているのもスゴイ。
宮中での装束は、普通テレビで見るか、神社の神職の方が着ているのを見るものですが、京都ではこういう伝統儀式や、葵祭、時代祭りをはじめ、各神社の祭、今様などで年間を通じ、よく目にする機会に恵まれます。
「きっと京都で、この装束で、市バスに乗ってても、普通だって思っちゃうかも~」と、さらに余計なことを想像するミモロでした。
*「得浄明院」京都市東山区知恩院山内林下町 通常は、非公開のお寺で、春や秋に特別公開されます。
儀式が終わり、境内を後にしたミモロは、「あ、もしかして、今年もいるかも~」と、向かったのは、三条通にある日蓮宗の「要法寺」です。
毎年、ここには、鴨が卵を産んで、ヒナを育て、鴨川へと移動します。
「あ、今年もいる~でも、よく見えないお昼寝タイムなのかな~」


すでにヒナは、人間でいえば小学生の高学年くらいの感じまで育っています。
「パパとママもお昼寝してる~」日陰で、鴨のカップルも子育ての合間のお昼寝です。

今年は、9羽ほどヒナがいる様子。
ミモロがじっと見ていると、鴨のカップルは、トコトコ別の場所に移動。
「あ、行っちゃった~」と残念そうなミモロ。「ネコだけど、危険性ないのにね~」と、後ろ姿を見送ります。

「また、見に来よう~。今年こそ、鴨川に移動するとこ見たいなぁ~」と、毎年通うにも関わらず、移動を見逃しているミモロなのです。
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